第6回日本在宅医療連合学会大会

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シンポジウム

13-1:精神疾患

シンポジウム56:こうする!こうやる!精神科×在宅医療

Sun. Jul 21, 2024 4:00 PM - 5:30 PM 第5会場 (会議室302)

座長:守上 佳樹(KISA2隊)、山田 寿美(よしき往診クリニック)

4:50 PM - 5:10 PM

[S56-3] 精神科専門医が動く精神科×在宅医療

*内田 直樹1、本多 飛将1、家村 智和1 (1. 医療法人すずらん会たろうクリニック)

2003年3月 琉球大学医学部医学科 卒業
2003年4月 福岡大学医学部精神医学教室 入局
2010年4月 福岡大学医学部精神医学教室 助教
2010年10月 福岡大学医学部精神医学教室 講師
2015年4月 医療法人すずらん会たろうクリニック 院長
在宅医療において患者の多くは後期高齢者であり複数の慢性疾患を抱えている。心不全患者の約20%にうつ病が併存し、うつ病の併存は予後を悪化させるという報告がある。糖尿病に関しては、うつ病の併存が多く、認知症発症の危険因子であることも報告されている。総合病院に入院している患者の30-40%程度になんからの精神疾患が認められるという報告もある。しかし、実際の在宅医療の現場においては、まだまだ精神科医が診療を行うという実践は少ない。  身体科主治医からの依頼を受けて対応するコンサルテーションと、身体疾患のチーム医療の一員として精神科専門職が持続的に関与するリエゾンを組み合わせたコンサルテーション・リエゾン精神医学(CLP)という分野がある。総合病院におけるCLPは、はじめは他科からの依頼に精神科医が応じるコンサルテーションが中心で、その後診療報酬をはじめとした環境が整ったことで精神科多職種が雇用されて今では各総合病院においてリエゾンチームが診療を担っている。同じように、在宅医療においてもまずは身体科の在宅医や地域包括支援センターからの依頼で精神科医がコンサルテーションを行うことから始め流という選択肢が考えられる。次のステップとして一般の在宅療養支援診療所で非常勤として働く精神科医が増え、そこから在宅療養支援診療所を開業する精神科医も出てくるという流れを期待している。 当法人は福岡市と東京都葛西で在宅医療を中心としたクリニックを運営しており、福岡のクリニックは常勤医9名のうち6人が精神科医という特徴がある。精神科医が中心となり在宅医療を行なっているクリニックとして、いかに「まちをリエゾンしているのか」について当日は実践をご報告したい。