第6回日本在宅医療連合学会大会

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一般演題(口演)

14-1:臓器不全

一般演題(口演)11 臓器不全 ほか

Sun. Jul 21, 2024 8:00 AM - 8:40 AM 第8会場 (会議室103)

座長:亀井 たけし(けんせいホームケアクリニック)

8:30 AM - 8:40 AM

[O-2-4] 在宅でもできる!フレイル予防とつながりづくりを目的とした公認町民体操「赤ふん坊や体操」のオンライン化

*井階 友貴1、松本 悠作2、伊東 浩希2、中島 大輔2 (1. 福井大学医学部地域プライマリケア講座、2. 高浜町役場保健福祉課地域医療推進室)

【はじめに】
超高齢社会において,介護予防体操が各地で取り組まれているが,福井県高浜町では2018年夏,交流や社会参加,地域の一体感といったソーシャル・キャピタルの醸成が期待できる町公認の町民体操「赤ふん坊や体操」を地域総出で開発,推定2,000人以上に拡散,実際に地域のイベント等の交流手段として採用された.コロナ禍以降,在宅でも取り組める手段の開発が望まれた.
【活動】
2021年9月,地元のオンラインイベントとの協働により,「赤ふん坊や体操・オンライン100人チャレンジ」と題し,体操を実施するオンラインコミュニティの結成を試みた.町内小学校,保育所,公民館,社会福祉協議会,高齢者住民活動グループに参加呼びかけの協力を依頼し,助言者として世界最高齢プログラマーと称されるICTエヴァンジェリストの若宮正子氏を迎え,赤ふん坊や体操のZoomでの生配信への参加を地域総出で呼びかけた.オンラインデバイスに不慣れな高齢者等の町民を対象に,公民館長や高齢者住民活動グループの支援者などがデジタル講習会・相談会を頻繁に実施した.町内から54名の老若男女が参加,高齢者がオンラインデバイスに触れる機会と,多世代がオンラインで交流する機会を得た.参加者には自宅で引き続き動画サイトを参照のうえ体操を継続することを推奨した.在宅療養中で集会に出向けない町民の参加も得られた.
【考察】あらゆる世代で実施できる公認町民体操「赤ふん坊や体操」に関するオンライン活動場所の提供とその支援は,在宅においても世代間交流,社会参加,地域の一体感の向上に寄与でき,ソーシャル・キャピタルの醸成が期待できると考えている.実際に「赤ふん坊や体操」オンラインの取り組みが社会医学的にソーシャル・キャピタルや健康への効果をもたらしたかどうかについては,今後の町内高齢者悉皆コホート調査の結果が待たれる.