第6回日本在宅医療連合学会大会

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一般演題(口演)

04-1:人材育成・教育

一般演題(口演)19 人材育成・教育・職種別

Sun. Jul 21, 2024 4:45 PM - 5:25 PM 第8会場 (会議室103)

座長:野正 佳余(大阪急性期・総合医療センター 大阪難病医療情報センター)

5:05 PM - 5:15 PM

[O-2-38] 在宅療養支援診療所におけるソーシャルワーカーの配置実態:2021年度勇美財団助成研究(1)

*西岡 大輔1,2,9、上田 まゆら3,9、西出 真悟4,9、梅木 秀俊5,9、岡村 紀宏6,9、坂本 はと恵7,9、早坂 由美子8,9 (1. 大阪医科薬科大学医学研究支援センター医療統計室、2. 南丹市国民健康保険美山林健センター診療所、3. 医療法人社団青い鳥会 上田クリニック、4. オレンジホームケアクリニック、5. 苫小牧市立病院、6. 社会医療法人恵和会 西岡病院、7. 国立研究開発法人国立がん研究センター東病院、8. 北里大学病院、9. 日本医療ソーシャルワーカー協会)

【目的】近年、患者のニーズの多様化に加え、制度や地域の社会資源の多様化と複雑さが指摘されている。在宅ケアの質の担保には医療と非医療サービスの一体化が重要であり、在宅療養に関わる組織の連携推進が提唱されている。そのような背景から、利用者や家族に対する心理社会的な支援を提供するために相談連携担当者として主に社会福祉専門職(ソーシャルワーカー:SW)がその業務を担うようになっている。しかし、どれだけの在宅療養支援診療所(在支診)にSWが配置されているかに関する報告は乏しい。そこで本研究では、在支診におけるSWの配置実態を計量的に明らかにすることを目的とした。【方法】研究デザインは横断研究である。全国の3942の在支診(機能強化型)を対象に相談連携担当者の配置の有無および担当者の資格に関して調査を実施した。得られた回答から、現在のSWの配置割合を統計的に推定した。本研究は公益財団法人在宅医療助成勇美記念財団の2021年度研究助成を受け、日本医療ソーシャルワーカー協会の倫理審査委員会の承認を受けて実施したものである。【結果】合計1,498の回答を得た(回収率 38.0%)。そのうち社会福祉士か精神保健福祉士の資格をもつSWを採用している施設は323(21.6%)でその95%信頼区間は19.5%-23.6%であった。SWを採用している在支診の割合には、都道府県ごとにばらつきがあり(0%-66.7%)、有床診療所の方がSWを多く採用していた(病床あり31.8%vs 病床なし20.4%)。【考察】地域の保健医療機関、介護・福祉サービス事業所などと連携を強め、利用者の生活の質の向上を支える在支診のうちおよそ2割でSWが採用されていたが、その配置状況には地域差があった。このような地域差が生じる要因や、SWの存在が住民の生活の質にどのように貢献するのかに関するさらなる研究が必要である。