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[O-2-41] 在宅療養支援診療所におけるソーシャルワーカーの業務実態:2021年度勇美財団助成研究(2)
【目的】近年、在宅療養に関わる組織の連携推進が提唱され、利用者や家族に対する心理社会的な支援を医療機関において提供する社会福祉専門職(ソーシャルワーカー:SW)が配置されるようになっている。しかし、在宅療養支援診療所(在支診)のSWに求められる業務や資質は十分に一般化されていない。本研究では、在支診の相談連携担当者の業務について妥当性が評価された尺度を用いて、SWの業務実態を計量的に明らかにすることを目的とした。【方法】研究デザインは横断研究である。全国の3942の在支診(機能強化型)を対象にSWの業務の実態について調査した。得られた回答から、SWの業務状況を集計し、地域性や診療所の規模で内容が異なるかを検証した。なお、本研究は公益財団法人在宅医療助成勇美記念財団の2021年度研究助成を受け、日本医療ソーシャルワーカー協会の倫理審査委員会の承認を受けて実施したものであり、別途演題登録している「在宅療養支援診療所における医療ソーシャルワーカーの実態:2021年度勇美財団助成研究(1)」に続くものである。【結果】合計の464の回答を得た(回収率 11.8%)。SWを採用している在支診では、地域活動や院内外の連携、障害を有する利用者や小児を対象にした支援業務が多く取り組まれていた。無床診療所ほど地域活動が多く、高齢化率が低い都市部と高齢化率の高い地方で業務内容に違いがあった。たとえば、都市部ほど地域活動への参加が多かったが、地方ほど支援者育成のための研修が多かった(それぞれ38% vs 21%、13% vs 21%)。【考察】SWが配置されている在支診では地域活動や連携業務などの取り組みが豊かであった。業務には都会度や診療所の入院病床の有無により異なっていることが示唆されたため、SWに求められる業務や資質を明らかにするためには、セッティングごとのさらなる調査が求められる。