第6回日本在宅医療連合学会大会

Presentation information

ポスター

04-2:キャリア

一般演題(ポスター)キャリア・倫理的課題・その他

Sun. Jul 21, 2024 10:10 AM - 10:40 AM ポスター会場1 (コンベンションホールA)

座長:伊藤 真美(医療法人社団 花の谷クリニック)

10:25 AM - 10:30 AM

[P-2-11] 新型コロナウイルス感染症による住宅型有料老人ホーム居住者の生活への影響

*王 迪1、島田 広美1、河西 恵美1、大北 葉子2、石垣 泰則3 (1. 順天堂大学医療看護学部、2. 順天堂大学国際交流センター、3. 医療法人社団悠輝会コーラルクリニック)

目的:本研究の目的は、新型コロナウイルス感染症流行による住宅型有料老人ホーム入居者の生活への影響を明らかにすることである。方法:研究協力が得られた住宅型有料老人ホーム2施設の居住者8名を対象に質問紙調査及び半構造化面接を実施した。質問紙調査で得られたデータは記述統計、インタビューデータは内容分析により質的に分析した。本研究は順天堂大学大学院看護学研究科研究等倫理委員会の承認を得て実施した。結果・考察:調査期間は2023年2月~8月。対象は女性5名、男性3名、平均年齢は80.38±6.82(68-90)であった。全員が個室で、「居住スペースの中での移動」は3名(37.5%)が介助や見守りが必要であった。何らかの病気で受診している者は7名であった。健康関連QOL(SF8)は新型コロナウイルス感染症で面会制限や活動制限があったことに影響されている項目があった。健康関連QOL(SF8)の測定平均値は、「身体機能」42.3、「日常役割機能(身体)」44.0 、「心の健康」48.2などの8項目とも国民標準値より低い結果であった。新型コロナウイルス感染症を予防するために、対象施設では外出の制限、レクリエーションなどの集団活動の中止、面会制限、手洗いおよびマスクの遵守、ワクチン接種などが行われた。感染予防策による居住者の生活にもたらす影響として【外出制限による身体活動量の低下】、【単調な生活を送らざるを得ない】、【友人や家族との対面交流の減少】、【集団活動が制限されることにより施設内で新しい友達が作れない】などが挙げられた。以上のことから、新型コロナウイルス感染症は住宅型有料老人ホーム居住者の生活に大きな影響を与えていることが示唆される。感染症から居住者を守りつつ居住者の多様なニーズに応じたサービスの提供や居住者のQOLの維持・向上に向けた支援が必要と考えられる。