第6回日本在宅医療連合学会大会

Presentation information

ポスター

17-1:排尿・排便ケア

一般演題(ポスター)排尿・排便ケア・褥瘡ケア

Sun. Jul 21, 2024 3:25 PM - 4:05 PM ポスター会場2 (コンベンションホールA)

座長:杉浦 敏之(医療法人社団弘惠会杉浦医院)

3:50 PM - 3:55 PM

[P-2-86] 抗菌性創傷被覆・保護剤による治療が功を奏した褥瘡の3例

*村上 英邦1 (1. 光輪会 さくらクリニック)

【はじめに】慢性創傷の90%にはバイオフイルムの形成が関与していると考えられている。したがって日々の褥瘡の処置では石鹸や弱酸性の洗浄剤などを用いて創部を強く洗浄することが重要である。しかし、処置をする側の恐れや患者の疼痛の訴えなどにより、軽く洗い流すだけとなっている症例も散見される。そこでそのような症例に対して 従来の洗浄が不要である抗菌性創傷被覆・保護剤による治療を提案した。【症例】74歳男性、左下腿~足背および踵に褥瘡あり形成外科で下腿切断予定であったが本人が拒否し保存的加療となり当院で治療開始した。当初は精製白糖ポピドンヨードを外用および用手的にデブリードマンを行い、壊死組織が減少した段階で抗菌性創傷被覆・保護剤の使用を開始し上皮化に至った。72歳女性、難治性の尾骨部褥瘡あり。スルファジアン銀、ブラクデタシンナトリウムなどの外用を試したが効果なし。 抗菌性創傷被覆・保護剤を導入し創部縮小した。77歳男性、臀部褥瘡2か所あり。疼痛のため本人が拒否し十分な洗浄が行えず、常時軽度の感染兆候を認めていた。抗菌性創傷被覆・保護剤を導入し創部縮小した。【考察】抗菌性創傷被覆・保護剤導入後3例とも褥瘡は導入後縮小し、抗菌性創傷被覆・保護剤による治療は有用であると考える。また3例ともトラフェルミンスプレーと併用した。この2剤を組み合わせることによりより治癒過程が早まっている可能性についても考えられる。