10:10 AM - 10:15 AM
[P-2-103] 同一医療機関による連携において円滑な入退院支援を実現したニューモシスチス肺炎の一症例
[はじめに]
この度、臨床的にニューモシスチス肺炎(以下PCP)と診断した血液癌の在宅患者に対し、状態悪化時の入院までの連携が同一医療機関でスムーズに対応できた一例を経験したためここに報告する。また本発表は日本在宅医療連合学会の倫理規定を遵守している。
[症例]
80代男性。多発性骨髄腫の白血病化、前立腺癌で月単位の予後予測で当院訪問診療介入中の方である。ADL自宅内介助下で妻と2人暮らし生活であった。来院4日前より呼吸苦を自覚され、数日かけて血痰が出現し、労作性呼吸苦が増悪した。来院同日、SpO2 60%台(室内気)へ低下を認め、精査目的に当院救急受診となった。画像精査後、臨床的にPCPを疑い高次医療機関に診断目的の気管支肺胞洗浄の依頼を検討したが、本人家族より「入院で良くなるなら頑張りたいが、改善の見込みがないならすぐ自宅退院に繋げて欲しい」との希望があり、当院で治療学的診断を行った。幸いST合剤+ステロイドで計21日間の治療を終え軽快退院できた。当院では総合診療科がワンストップで対応し、毎日在宅部門と病棟部門の主治医が常に本人家族の価値観を共有した上で、当院の限られた医療資源の中でも多職種と継続性をもった加療を行った事で、入退院における一貫した連携を築き、結果として救急受診から退院支援を含めた迅速な移行期ケアに繋げる事が出来た。
[考察]
PCPは本来診断のために高次医療機関に相談することも多いが、今回のように血液癌を背景とした重症呼吸器感染症の場合は各専門科に跨った疾患として認識され、結果として救急受診のタイミングから退院に至るまで迅速に対応することが難しい。本人家族の価値観を通じて、療養場所が変わっても予防と共に継続性を持った診療が提供できる総合診療科を中心としたサブアキュート機能のある在宅療養支援病院は今後の高齢化社会を支える重要な役割を担うと考えられる。
この度、臨床的にニューモシスチス肺炎(以下PCP)と診断した血液癌の在宅患者に対し、状態悪化時の入院までの連携が同一医療機関でスムーズに対応できた一例を経験したためここに報告する。また本発表は日本在宅医療連合学会の倫理規定を遵守している。
[症例]
80代男性。多発性骨髄腫の白血病化、前立腺癌で月単位の予後予測で当院訪問診療介入中の方である。ADL自宅内介助下で妻と2人暮らし生活であった。来院4日前より呼吸苦を自覚され、数日かけて血痰が出現し、労作性呼吸苦が増悪した。来院同日、SpO2 60%台(室内気)へ低下を認め、精査目的に当院救急受診となった。画像精査後、臨床的にPCPを疑い高次医療機関に診断目的の気管支肺胞洗浄の依頼を検討したが、本人家族より「入院で良くなるなら頑張りたいが、改善の見込みがないならすぐ自宅退院に繋げて欲しい」との希望があり、当院で治療学的診断を行った。幸いST合剤+ステロイドで計21日間の治療を終え軽快退院できた。当院では総合診療科がワンストップで対応し、毎日在宅部門と病棟部門の主治医が常に本人家族の価値観を共有した上で、当院の限られた医療資源の中でも多職種と継続性をもった加療を行った事で、入退院における一貫した連携を築き、結果として救急受診から退院支援を含めた迅速な移行期ケアに繋げる事が出来た。
[考察]
PCPは本来診断のために高次医療機関に相談することも多いが、今回のように血液癌を背景とした重症呼吸器感染症の場合は各専門科に跨った疾患として認識され、結果として救急受診のタイミングから退院に至るまで迅速に対応することが難しい。本人家族の価値観を通じて、療養場所が変わっても予防と共に継続性を持った診療が提供できる総合診療科を中心としたサブアキュート機能のある在宅療養支援病院は今後の高齢化社会を支える重要な役割を担うと考えられる。