第6回日本在宅医療連合学会大会

Presentation information

ポスター

13-3:がん

一般演題(ポスター)がん2・難病1

Sun. Jul 21, 2024 10:10 AM - 10:50 AM ポスター会場3 (コンベンションホールA)

座長:融 衆太(新渡戸記念中野総合病院 脳神経内科)

10:35 AM - 10:40 AM

[P-2-108] 進行速度の異なる若年型筋萎縮性側索硬化症2例への生活期での取り組み

*寺倉 隆朗1、岡田 賢哉1、澤村 結香1、宗光 俊博2 (1. 医療法人利仁会 訪問看護ステーションTenderly、2. 医療法人利仁会 むねみつホームメディカルクリニック)

【はじめに】筋萎縮性側索硬化症(以下ALS)の若年症例に対する生活期の取り組み報告は数少ない.今回進行速度の異なる若年型ALS患者2名に訪問看護ステーションとして取り組んだことを報告する.【症例】49歳女性(以下,症例A),ALS診断より1年経過後に介入開始.ALSFRS-Rスコアは16点,ADLは車椅子全介助,食事は経口と胃瘻併用,コミュニケーションは文字盤のみ.高齢KPへの介護指導,転居を含めた住環境調整と外出支援を実施.介入後半年経過,進行は緩徐であり,ALSFRS-Rスコアは15点,ADLは変化なし.介入成果として家族との意思疎通が円滑になり,家族との外出が行えている.49歳女性(以下,症例B)診断3か月後に介入開始.介入時ALSFRS-Rスコアは42点.ADLは杖歩行レベル.介入時よりBIPAPは導入済み.進行に伴う自宅内ADLの低下に対して,生活動作方法の解決策の提案,日常生活援助,BIPAP導入支援と管理,住環境調整を実施.半年後のALSFRS-Rスコアは18点,基本動作は全介助レベルまで低下したが,介入中の日常生活支援により,生活意欲が向上し,IADLである調理活動を可能とした.【考察】ALSの病態は症例ごとに異なり,進行速度や機能低下に合わせた対応が必要となる.症例Aでは,残存機能と家族の介護力を把握したことで,当初より想定していた以上の生活活動に繋がったと考える.症例Bでは,患者の不安や葛藤に寄り添うことで,その人らしさを失わずに在宅生活を送ることが出来た.今回,進行状態や疾病受容に見合ったアプローチをすることで進行速度や環境因子が異なっていても,適切なサービスを提供する事が出来たと考える.今回の2症例での経験を活かし,今後の看護ケアの発展に繋げていきたい.