一般社団法人 日本LD学会 第25回大会(東京)

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[JB5] 限局性学習症の“限局性”について考える

全般的な知的能力との関係との関係を中心に

Sat. Nov 19, 2016 12:00 PM - 1:30 PM 416 (Conference Center4F)

企画者:藤岡徹(福井大学),司会者:平谷美智夫(平谷こども発達クリニック),話題提供者:平谷美智夫(平谷こども発達クリニック),話題提供者:石坂郁代(北里大学),話題提供者:河野俊寛(金沢星稜大学),話題提供者:伊藤一美(星槎大学大学院),指定討論者:藤岡徹(福井大学)

12:00 PM - 1:30 PM

[JB5] 限局性学習症の“限局性”について考える

全般的な知的能力との関係との関係を中心に

藤岡徹1, 平谷美智夫2, 石坂郁代3, 河野俊寛4, 伊藤一美5 (1.福井大学, 2.平谷こども発達クリニック, 3.北里大学, 4.金沢星稜大学, 5.星槎大学大学院)

【企画の趣旨】平谷こども発達クリニックは発達障害に特化した民間クリニックであり、限局性学習症(Specific Learning Disorder; SLD)への取り組みも多くなされている。LD研究では「発達性ディスレクシア(DD)には注意欠如多動症(ADHD)や自閉スペクトラム症(ASD)が併存しやすく、それが併存するとDD児の学習面での問題は保護者と教員から報告されにくくなること」を報告した(藤岡ら, 2014;藤岡ら, 2015)。この結果を中心に、DDの見落とし防止についての啓発を行ってきた。
ASDとADHDの他にも、SLDと知的レベルとの関係は重要である。なぜならば、知的発達症(ID)でも読み書きや計算の遅れが生じうるが、SLDのような特定領域のみに遅れが生じることとは質的に異なることが予想されるためである。当クリニックの山口(2015)はDD児を対象として、ひらがな音読検査(単音、有意味単語、無意味単語、文章)(稲垣ら, 2010)の音読速度は、音韻処理に関係するとされるWISC-IVのワーキングメモリーとは負の相関を認めたが、WISC-IVの言語理解と知覚推理と処理速度とは相関を認めなかったことを報告している。これはDD児の読字を対象にした限定的な結果であるが、全般的な能力とSLDの特性は分けて考えるべきことを意味していて、SLDの合理的配慮や支援を考える上で重要な観点となる。そこで、このシンポジウムでは、全般的な遅れである知的発達症(ID)や他の全般的な能力との関連を踏まえ、限局性学習症の限局性について改めて把握することを目的とした。最初にSLDとADHD・ASD・IDの併存に関して、医学的な立場から総論を述べる。その後、読字障害/DD、書字障害、計算障害の限局的な困難について、それぞれの専門家からIDや他の全般的な能力との比較を交えながら説明をする。

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