11:00 AM - 12:30 PM
[JF7] 発達障害児のアセスメント結果におけるプロフィール解釈
WISC-Ⅳ,LCSA,ASISTによる実践事例による検討
【企画の趣旨】知能検査や質問紙(チェックリスト)は,特別支援教育において障害のある児童生徒の心理社会的機能の評価で欠かせないアセスメントツールである.特に,2010年以降に標準化・発刊されたツールは,WISC-Ⅳ(2014)やKABC-Ⅱ(2013),LCSA学齢版言語・コミュニケーション発達スケール(2012),Vineland-II適応行動尺度(2014),ASA旭出式社会適応スキル検査(2012),ASIST学校適応スキルプロフィール(2014)があり,教育や療育,支援などで広く活用されている.こうした近年発刊されたアセスメントの活用研究には,大きく3つの知見がみられる.一つに,そのツール独自の分析方法を深めていき,結果解釈の手続きを発展させている.二つめに,多くのツールが単一的な結果数値の算出にとどまらず,プロフィール化された結果表記を採用しており,対象児の長所短所や偏りを適切に把握する努力をおこなっている.三つめに,教育実践や支援計画の立案に活用するための手だて・手続きを具体的に追求している.特に,WISC-ⅣやLCSA,ASISTによる検証や活用では,認知機能や言語コミュニケーション発達,学校適応におけるスキルの獲得/支援ニーズを領域別にみていき,各々プロフィール化から検討がなされている.加えて,自閉症スペクトラム障害やLD,ADHD,知的障害児などの障害特性との関連について言及する実践研究もある.また,こうしたツールを組み合わせることで,対象児の認知,言語コミュニケーション,学校適応などの多機能・多分野の連関から検証する試みもおこなわれている.本シンポジウムでは,こうしたアセスメントツールによる結果から,対象児のプロフィール分析を具体的にどのように進めていくべきかを理論的・実践的な観点から紹介し,適切な結果解釈にたどりつくための手だてや具体性について言及する.具体的に発達障害事例(倫理・個人情報の観点から実際の事例に加筆修正を加えた類似事例の紹介)をとりあげて,結果解釈とプロフィール分析について知見を述べる.3つのツールは測定する領域が異なっているが,教育フィールドにおける実際の支援でどのようにその結果解釈を活用していけばよいかについて討論する.
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