会長挨拶
子ども達のWell-Beingを育む -こころ、からだ、まなび-
第31回大会会長
相澤 雅文(京都教育大学 総合教育臨床センター)
新型コロナウイルスによる影響で出口の見えない状況ではございますが、皆様におかれましてはお変わりなくお過ごしでしょうか。日本LD学会第31回大会(京都)のメインテーマを「子ども達のWell-Beingを育む -こころ、からだ、まなび-」といたしました。
2020年度から新型コロナウイルスの全世界規模の感染拡大があり、日本においても、幼児児童生徒の通園・通学ができない状況や学校行事の延期・縮小など、学校を含めた生活の文脈が崩壊した中での暮らしが続いてまいりました。そうした中でOECDを始めとして、国内の様々な機関からも子ども達のWell-Being(ウェルビーイング)を育む取り組みが強く求められております。
Well-Beingは近年よく耳にする言葉ですが、決して新しい概念ではありません。1948年に発足した世界保健機関(WHO)憲章の前文では、「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(Well-Being)にあることをいいます(日本WHO協会訳)」とされています。
子どもたちの健やかな成長発達を願わない社会はないと考えます。日本の子どもたちは、先進国の中で幸福度や自己肯定感が低いこと、当事者意識の低いことが発達的側面の課題として挙げられています。これからの未来の予測がつかないといわれる世の中で、Well-Beingを視座として子ども達の豊かな発達を考えていくことは大切なことと考えています。「こころ」の側面、「からだ」の側面、そして「まなび」の側面、多様な側面からの子ども達のより良い成長のありかたを共有できる会にして行けたらと思います。
大会の開催にあたりましては、ハイブリッド形式での開催を進めております。多くの皆様にご参加いただき、新たな学びや指針が得られる大会となりますよう、大会委員一同、運営に尽力してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。