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[R2-04] Si原子は珪酸塩液体中でどのように拡散しているのか
キーワード:珪酸塩液体、分子動力学シミュレーション
珪酸塩液体の構造や輸送係数を数理物理学的にモデリングすることは物理学、地球科学そしてガラス工学において重要でかつ挑戦的な課題であるといえる。例えばこれまでは液体については熱力学に基づいき少し微視的な視点を組み込むといった形のモデリングがなされてきており基本的に配置エントロピーの問題へと帰着することが多かった(Adam & Gibbs, 1965; Richet & Bottinga, 1994)。エントロピーの議論は単純な格子モデルに落とし込めば容易になり、またどのような環境に位置したネットワーク構成元素(Si, O)が拡散することができるのかを明らかにすることで輸送係数の議論をすることが可能となるだろう。本研究では10,000粒子で構成されたナトリウム珪酸塩液体の分子動力学シミュレーションを行い、その結果からシリコン原子がどのように拡散しているかを明らかにするため従来の解析だけでなく、結合交換の有無を分けた平均二乗変位、種ごとに分割したvan Hove関数、イベントのシンクロニシティなどを解析しその拡散様式の詳細を議論する。