10:45 〜 11:00
[R2-07] Mn3-xFexO4固溶体の高圧下での電荷移動と磁気構造変化
(半導体—金属転移 磁気構造転移と結晶構造転移の圧力効果)
キーワード:Mn3-xFexO4 固溶体、高圧実験、電荷移動、磁気構造転移、中性子回折実験
遷移元素を含む酸化物スピネル(Zn, Ti, Mn, Cr….)xFe2-xO4は、典型的な強磁性地殻鉱物であり、また最も基本的な磁性体材料でもある。本実験ではMn3-xFexO4固溶体について高圧放射光回折実験を行なったが、原子散乱能がMn(25), Fe(26)で差が無く、陽イオン分布の決定は困難である。中性子回折実験では散乱断面積がMn(-3.73fm), Fe(9.54fm)であり大きな差があり、正確な解析ができ、J-PARCで高圧中性子回折実験を行った。また高圧電気伝導度測定実験、高圧メスバウアー実験も行なった。post-spinel相への転移圧はMn3O4組成の固溶度と共に減少し、ferri-mag からantiferro-magに転移する磁気転移圧は構造転移圧より低い。電気伝導機構はelectron hoppingで、高圧相のpost-spinelは30GPa以上では金属的な伝導度を示す。磁気構造解析から陽イオンのsite occupancyが加圧に伴って著しく変化すること、Mn3+による八配位席でのJahn-Teller 効果は加圧により減少し、消滅する事が明らかになった。