一般社団法人日本鉱物科学会2019年年会・総会

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R2: 結晶構造・結晶化学・物性・結晶成長・応用鉱物

2019年9月20日(金) 09:30 〜 17:00 A-プレゼンスペース (イースト1号館)

09:30 〜 17:00

[R2P-06] Magnetite-maghemite-hematite相転移メカニズム

*杵渕 伊吹1、佐野 喜成1、興野 純1 (1. 筑波大・生命)

キーワード:磁鉄鉱、赤磁鉄鉱、赤鉄鉱、相転移

地殻中に普遍的に存在するmagnetiteはFe2+がFe3+に酸化することによってhematiteに相転移する.この酸化過程において,magnetiteと同形構造であるmaghemiteが中間相として形成される.Maghemiteはmagnetite中の八面体席の一部が空孔になったものであり,magnetiteからmaghemiteへの局所構造の連続的な変化については未解明な部分が多い.本研究では,magnetiteからmaghemiteを経てhematiteまで相転移するメカニズムを解明するために,熱重量・示差熱分析,高温in-situ粉末XRD測定,X線吸収微細構造(XAFS)の高温ex-situおよびin-situ測定から,magnetiteの酸化過程での局所構造変化を調べた.結果から,magnetiteは,加熱によってはじめに八面体席のFe2+が拡散し八面体席の一部が空孔となりmaghemiteに相転移する.その後,maghemiteの空孔となった八面体席が再びFeの八面体配位を形成し, hematiteに相転移していると考えられる.