09:30 〜 17:00
[R2P-08] 土橋セリサイトに含まれるX線回折で見えない鉱物
キーワード:セリサイト、AFM、TEM、非晶質
土橋セリサイトは岡山県備前市の土橋鉱山から産出し、陶磁器原料に利用されている。特長は可塑性に富むことであるが、カリ成分が少ない現象が認められたので、原因を明らかにするため、個々の鉱物粒子の観察を行った。
試料はセリサイトの純度が高い「高品位鉱」である。乾式研磨法で薄片を作製し偏光顕微鏡観察を、蛍光X線分析装置で化学分析を、粉末X線回折(XRD)で構成鉱物の同定を行った。超音波分散で懸濁液を作製して原子間力顕微鏡(AFM)観察を、原鉱をめのう乳鉢で粉砕して透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行った。
化学分析では日本粘土学会参考試料に比べてK20が約2%少なかった。この試料のXRD測定では、セリサイト以外の回折ピークは認められなかった。AFM像では不定形で歪な板状粒子が多く、成長ステップ模様の形状もcircular状が多い。平均粒子厚さは20-60nmであった。TEM観察では薄板状のセリサイトだけでなく、100nm以下の粒状物質が多く存在している。これらの粒子はSiとAlを含んでいるが詳細な化学組成は不明である。この粒状物質がXRDで検出できない鉱物の可能性がある。
試料はセリサイトの純度が高い「高品位鉱」である。乾式研磨法で薄片を作製し偏光顕微鏡観察を、蛍光X線分析装置で化学分析を、粉末X線回折(XRD)で構成鉱物の同定を行った。超音波分散で懸濁液を作製して原子間力顕微鏡(AFM)観察を、原鉱をめのう乳鉢で粉砕して透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行った。
化学分析では日本粘土学会参考試料に比べてK20が約2%少なかった。この試料のXRD測定では、セリサイト以外の回折ピークは認められなかった。AFM像では不定形で歪な板状粒子が多く、成長ステップ模様の形状もcircular状が多い。平均粒子厚さは20-60nmであった。TEM観察では薄板状のセリサイトだけでなく、100nm以下の粒状物質が多く存在している。これらの粒子はSiとAlを含んでいるが詳細な化学組成は不明である。この粒状物質がXRDで検出できない鉱物の可能性がある。