一般社団法人日本鉱物科学会2019年年会・総会

講演情報

ポスター

R2: 結晶構造・結晶化学・物性・結晶成長・応用鉱物

2019年9月20日(金) 09:30 〜 17:00 A-プレゼンスペース (イースト1号館)

09:30 〜 17:00

[R2P-12] パイライト型構造の電子状態

*米山 瑠華1、則竹 史哉2,3 (1. 山梨大・工、2. 山梨大・院総合研究部、3. 理研)

キーワード:パイライト、分子軌道計算

MX2の化学組成を持つパイライト型構造は1つの単純立方格子を持ち、X元素同士の結合、M元素にX元素が6個配位した八面体、1つのX元素に対して3つのM元素と1つのX元素が結合していることで特徴づけられる。パイライト型構造のうち遷移金属元素の席がマンガンで構成されるハウエライトは他の遷移金属元素によるパイライト型構造と比較してM-X結合距離が長いことが知られている。本研究では結晶構造の一部を取り出したクラスター(H6S12M, M = Mn, Fe, Co, Ni)に対してMP2法およびaug-cc-pVTZ基底関数を用いて分子軌道計算を実施した。構造最適化を行った結果、マンガンと硫黄の結合距離が他の遷移金属元素に比べ長いことを再現した。また軌道解析の結果から他の実験と調和的であるマンガンのハイスピン状態を確認した。本講演ではさらに詳細な議論を軌道解析に基づいて行う。