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[R3-01] 圧力スケールの違いが与える核の密度欠損への影響
キーワード:核の密度欠損、圧力スケール、状態方程式、核の軽元素
地震学的に観測・決定された地球の核の密度と,核の主要成分である鉄の密度との不一致(ρFe>ρcore)は、核の密度欠損問題として知られている。ここでは、MgOスケール(Keane EoS, Sakai et al., 2016)を基準として,MgO, Pt, NaCl, Fe, Fe-Ni, Fe-Ni-Siの300 GPaに及ぶ圧縮データ(Sakai et al. 2011, 2012, 2014)を基に核の密度欠損および核の軽元素量を見積もった(ここではSiのみ考慮)。これに対し,他の圧力スケール(Dorogokupets and Oganov (2007), Yokoo et al. (2009), Holmes et al. (1989)の白金スケール)を採用した場合にそれぞれの推定値がどれだけ変化し得るかを計算した。密度欠損及び軽元素の推定量に与える圧力スケールの違いによる効果は,その他考えられ得る様々な誤差(温度,熱膨張率,ICB密度,Ni量)と比べても同等あるいはやや大きいと言えるだろう。