一般社団法人日本鉱物科学会2019年年会・総会

講演情報

ポスター

R3: 高圧科学・地球深部

2019年9月22日(日) 09:30 〜 15:00 A-プレゼンスペース (イースト1号館)

09:30 〜 15:00

[R3P-03] 核-マントル間における水素分配の第一原理的予測

「発表賞エントリー」

*大場 篤朗1, 土屋卓久1 (1. 愛媛大・GRC)

キーワード:第一原理計算、熱力学積分、水素分配、核-マントル境界

水素は太陽系内で最も豊富に存在する元素であり、外核の密度欠損(Birch, 1956)を補う軽元素の候補の一つである。それゆえ外核内に含まれる軽元素の制約や地球内部の水循環の解明のために、高温高圧下における鉄-ケイ酸塩間の水の分配実験が行われた(Okuchi, 1997; Iizuka-Oku et al., 2016; Clesi et al., 2018)。しかしながら、これらの実験によって推定された鉄-ケイ酸塩間の水素の分配先は異っており、鉄-ケイ酸塩間における水素の分配特性は依然として明らかにされていない。そこで本研究では、第一原理計算を用いたXiong et al. (2018)と同様の手法に基づき、核-マントル境界条件下での液体鉄-熔融ケイ酸塩間における水素の分配先の推定を行った。結果として、水素は鉄側に比べてケイ酸塩側により多く分配されることが示唆された。