R3: 高圧科学・地球深部

[R3P-10] 鉄水素化物高圧相FeH₂の音速及び磁性測定

*生田 大穣¹、大谷 栄治¹、平尾 直久²、三井 隆也³、中野 智志⁴、内山 裕士²、筒井 智嗣²、バロン アルフレッド⁵ (1. 東北大・理・地学、2. JASRI、3. 量研、4. NIMS、5. 理研)

キーワード：FeH2、音速、メスバウアー分光法、高圧

地球核はニッケルを10%前後含む鉄-ニッケル合金を主成分として、幾つかの軽元素を含んでいる構造と推定され、中でも水素は、地球核を構成する軽元素の有力な候補の一つと考えられている。Fe-H系においては、FeH_x組成(0≦x≦1)のbcc相、fcc相そしてdhcp相が知られていたが、近年FeH₂相、FeH₃相、そしてFeH₅相等の水素を多く含有する相が、地球核に相当する高圧において報告されている。これらのFe-H系に出現する高圧相の物性は、地球核を構成している可能性のある物質としても、また、水素が大半を占めると考えられる木星型惑星の内部構成物質としても、地球惑星科学的に重要な情報である。しかしながら、これらのFe-H系の高圧相の音速や磁性等の物性については実験的な測定が存在しておらず、現状では未解明である。本研究では、Fe-H系における高圧相のFeH₂相の音速を非弾性X線散乱法によって、磁性をメスバウア分光法によって測定した結果を報告する。