一般社団法人日本鉱物科学会2019年年会・総会

講演情報

口頭講演

R4: 地球表層・環境・生命

2019年9月21日(土) 14:00 〜 16:15 大講義室 Ib (大講義室)

座長:川野 潤、横山 正、宇都宮 聡

15:00 〜 15:15

[R4-05] 蛍光プローブを用いた2次元可視化手法による結晶の溶解/成長メカニズムの検討

*川野 潤1、矢崎 誠1、豊福 高志2,3、長井 裕季子2,4、Teng Henry5、永井 隆哉1 (1. 北大、2. JAMSTEC、3. 海洋大、4. 科博、5. 天津大)

キーワード:溶解、拡散、蛍光プローブ、イメージング、炭酸カルシウム

水溶液中における鉱物の成長や溶解のメカニズムを明らかにするために、これまで数多くの研究が行われてきたが、十分な理解が得られているとは言い難い。本研究においては、鉱物表面における溶解メカニズムを明らかにするため、炭酸カルシウムを例として、溶解する結晶表面近傍の局所的な溶液環境の変化を2次元イメージングし、得られたプロファイルに基づいて、反応をモデリングすることを試みた。拡散方程式を用いてpHプロファイルの計算を行い、実験結果と比較した結果、実験をよく再現するイオンの拡散係数は、従来得られているOH-やH+の拡散係数より一桁小さい結果となった。このことは、この反応が拡散律速というより表面反応律速である可能性が高いことを示している。より正確なモデリングのためには、Caイオン濃度とpHの同時測定が必要である。