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[R5-02] 水質変質程度の異なるCMコンドライト中TCIの微細組織観察
「発表賞エントリー」
キーワード:CM炭素質コンドライト、水質変成、TCI、STEM
CMコンドライトには、トチリナイトとクロンステッタイトの連晶組織(tochilinite-cronstedtite intergrowth, 以下TCI)が普遍的に存在し、母天体の水質変質環境に関する重要な情報を保持していると考えられる。本研究ではQUE97990,Murchison,Murray, Cold Bokkeveld, Nogoyaの5つのCMコンドライトのTCIについてTEMによる微細組織観察を行い、その形成プロセスを検討した。水質変質程度の小さいCM隕石のTCIは、比較的粗粒なトチリナイトとクロンステッタイトで構成されているものが多い。一方、水質変質程度の大きいCM隕石では、TCIはコア-リム構造を示すものが多く、そのコアは細かい繊維状のMg-richクロンステッタイトやmixed-layer phase (トチリナイトとクロンステッタイトのシートが交互に積層したポリタイプのもの)で構成されていた。少なくともこのようなタイプのTCIは、何らかの前駆物質(固体)を置き換えたものではなく、液中から直接成長したものである可能性が考えられる。