一般社団法人日本鉱物科学会2019年年会・総会

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R5: 地球外物質

2019年9月20日(金) 09:30 〜 17:00 A-プレゼンスペース (イースト1号館)

09:30 〜 17:00

[R5P-02] Hコンドライト隕石の変成温度解析:改良型Lindsley輝石温度計による試み

*上原 亮1、桑原 義博2、島田 和彦4、中牟田 義博3、上原 誠一郎4、足立 達朗5 (1. 九大・院地球社会、2. 九大・比文、3. 九大・博物館、4. 九大・理、5. 九大・埋文)

キーワード:Hコンドライト、Lindsley輝石温度計、コスモクロア輝石、最高到達温度、オニオンシェルモデル

小惑星の熱進化モデルを考える上での重要なパラメーターとして,コンドライト隕石母天体の最高到達温度,年代,冷却速度などが挙げられている。その中でも,最高到達温度については様々な地質温度計を用いて求められてきた。中でもLindsley (1983)による輝石温度計は他の温度計とは違い,同じ隕石内で単斜輝石と斜方輝石の各々から温度を推定できることから広く用いられてきた。しかし,単斜−斜方輝石の温度差が50〜100℃程度と大きいことが分かっており,多くの議論がなされてきた。これを受けて,Nakamuta et al . (2017) は隕石中に存在するコスモクロア輝石成分を考慮し,従来のLindsley輝石温度計にその成分を加えた改良型Lindsley輝石温度計を提案した。これにより,LLコンドライト隕石中の単斜−斜方輝石の温度差が20℃未満と,従来の輝石温度計を用いるより精度の高い結果が得られることを報告した。本研究ではNakamutaが考案した改良型Lindsley輝石温度計を用いて,Hグループに属する変成度の異なる4タイプの隕石の変成温度の推定を行った。ここでは,その結果について報告する。