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[R7-05] 沖縄トラフごんどうサイトの海底下における塊状硫化物の鉱物学的特徴
キーワード:海底熱水鉱床、熱水変質
ごんどうサイトは沖縄トラフ第三久米海丘の西麓に位置する海底熱水活動域である.2017年にJM17-04調査航海が実施され,海底設置型掘削装置を用いた掘削調査が行われた.掘削点GDUC06から得られた掘削コア試料は,I. 0.00 - 2.52 mbsf (meters below sea floor):泥質堆積物,II. 2.52 - 8.62 mbsf:黒鉱質の塊状硫化物,III. 8.62 - 12.65 mbsf:鉱染状硫化物,IV. 12.65 - 16.15 mbsf:珪化した火山砕屑物,V. 16.15 - 24.93 mbsf:黄鉱〜珪鉱質の硫化物,VI. 24.93 -29.00 mbsf:珪化した火山砕屑物,からなっていた.II. 黒鉱質の塊状硫化物は,主に閃亜鉛鉱,黄鉄鉱,方鉛鉱,重晶石から構成されており,微細で複雑な組織を示した.これに対してV. 黄鉱〜珪鉱質の硫化物は,主に黄鉄鉱,黄銅鉱,石英から構成されており,自形の黄鉄鉱を黄銅鉱が覆っているような組織がよく見られた.沖縄トラフで黒鉱鉱床の黒鉱/黄鉱に対比できる特徴をもつ塊状硫化鉱を含む層がそれぞれ数 m程度の厚みをもって観察されたのは初めての例になる.