R7: 岩石・鉱物・鉱床一般 (資源地質学会共催セッション)

[R7P-01] オマーンオフィオライトWadi Tayin岩体における地殻−マントル境界にみられるマントル−メルト相互作用

*高澤 栄一^1,2、木暮 優芽斗³、石井 慶佑³、Chatterjee Sayantani¹、小柳 夏希¹、道林 克禎⁴、田村 芳彦²、The Oman Drilling Project Science Party (1. 新潟大・理、2. 海洋研究開発機構、3. 新潟大・院自然、4. 名古屋大学)

キーワード：オマーンオフィオライト、国際陸上科学掘削計画、オマーン掘削プロジェクト、モホ面、地殻ーマントル境界

オマーンオフィオライトWadi Tayin岩体の地殻-マントル境界部で掘削されたコアの岩相変化と主成分および微量元素の全岩化学組成の対応関係について報告する。Hole CM2Bから全長300mのコアが採取され，下位からMantle Sequence (層厚179m), Dunite with Gabbro Sequence (同47m)，Dunite Sequence (同12m)と累重する。下位のMantle Sequenceのハルツバージャイトから上位のCrust-Mantle Transitionのダナイトへ向かって直方輝石が消滅し，全岩組成のCaO wt%も連続的に減少する。Crust-Mantle Transitionの下部，すなわちMantle Sequenceとの境界部に中間組成のダナイトが存在し，ガブロや含斜長石ウェルライトのレイヤーをしばしば伴う。Mantle Sequenceの中希土類元素に枯渇したスプーン型のREEパターンと対象的に，最上部のハルツバージャイトはREEにエンリッチしている。Crust-Mantle Transitionの下部でマントル−メルト反応が進行したことを示唆する。