一般社団法人日本鉱物科学会2019年年会・総会

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R7: 岩石・鉱物・鉱床一般 (資源地質学会共催セッション)

2019年9月21日(土) 09:30 〜 17:00 A-プレゼンスペース (イースト1号館)

09:30 〜 17:00

[R7P-11] インドAravalli-Delhi造山帯に露出するシュードタキライトの微細組織とその形成過程

*岡崎 淳哉1、安東 淳一1、Das Kaushik1、富岡 尚敬2、兒玉 優3 (1. 広島大・院理、2. JAMSTEC、3. マリン・ワーク・ジャパン(株))

キーワード:シュードタキライト、断層運動、摩擦溶融、塑性変形

シュードタキライトは断層運動による摩擦溶融で形成される黒色・非顕晶質な岩石であり、過去の地震活動の情報を保持する重要な岩石である。本研究ではインドAravalliーDelhi造山帯に露出する片麻岩中のシュードタキライトを対象に、その形成過程と塑性領域での断層運動の発達を明らかにすることを目的とする。
 露頭観察から、母岩の面構造に対し、平行、斜交という2種類のシュードタキライト脈を確認した。平行な脈は母岩と同じく塑性領域で形成され、一方、斜交する脈は上昇過程中に脆性領域で形成されたと考えられる。微細組織からは、シュードタキライトは破砕された岩片と細粒な基質部から構成され、円形の岩片や基質部の構造は摩擦溶融現象を示唆する。また基質部は約0.5μmの結晶粒子で構成されており、非晶質物質はほとんど確認されない。
 これらから考えられる成因は、まず地震性断層運動により母岩が破壊され、断層運動に起因する摩擦溶融により、細粒化した岩片哉融点の低い鉱物が選択的に溶融しメルトを形成する。その後メルトの急冷により細粒な粒子が晶出し基質部を形成する。