R8: 変成岩とテクトニクス

[R8-10] 島根県江津地域緑れん石青色片岩とエクロジャイト質岩の変成作用と地質年代

*高須 晃¹、Kabir Fazle²、遠藤 俊祐¹、Li Weimin³ (1. 島根大・総合理工、2. 藤井基礎設計、3. 中国・吉林大学)

キーワード：周防帯、蓮華帯、青色片岩、シュードセクション・モデリング、K-Ar年代

江津地域に分布する周防帯青色片岩はNCKFMASHOモデルシステムでのP-Tシュードセクションにより475-500 ℃，14-16 kbarのピーク変成条件が得られた．一方，エクロジャイト質岩は 570-580 ℃，24-25 kbarのピーク変成条件を示した．エクロジャイト質岩は産状と変成条件より蓮華帯のエクロジャイトに対比される可能性がある．青色片岩と連続する泥質片岩（901, 902）とエクロジャイト質岩（903E）中のフェンジャイトのK-Ar年代測定を行った．901と902はそれぞれ細粒(F)と粗粒(C)の粒子を分離し，測定を行った．結果は，901F：187.0 ± 4.0 Ma，901C：190.7 ± 4.1 Ma，902F：181.5 ± 3.9 Ma，902C：183.2 ± 3.9 Ma，903E：216 ± 4.6 Maとなった．泥質片岩は，これまでに江津の泥質片岩より報告されている191 Ma及び195 Maの年代値とよい一致を示す．一方，エクロジャイト質岩は泥質片岩に比べて有意に古い年代を示すが，期待した300 Ma前後の蓮華変成岩の年代は得られなかった．