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[R8P-07] 東南極セール・ロンダーネ山地北部に産するFe-Alに富むグラニュライトの変成組織とザクロ石REEの相違
キーワード:変成組織、ザクロ石REE、セール・ロンダーネ山地、グラニュライト
東南極セール・ロンダーネ山地北西,あすか基地の南西約25kmに位置するベストハウゲンは孤立した露岩である.本報告ではベストハウゲンで採取されたFe-Alに富むグラニュライトに観察される変成組織と産状の異なるザクロ石の希土類元素含有量の相違について報告する.Fe-Alに富むグラニュライトは,主に菫青石,スピネル,ザクロ石,アルカリ長石,斜長石, 斜方輝石から構成される.ザクロ石は班状変晶として産するものと,スピネルやイルメナイトの周縁にコロナとして産するものがある.アルカリ長石は,透明で内部に包有物を含まないものと,赤みを帯び内部に極微細なラメラやルチルを包有するものがある.変成温度圧力は約900〜950℃,5±1 kbarが得られた.ザクロ石班状変晶とザクロ石コロナについて,Laser-ICP-MSを用いて希土類元素組成を測定したところ,両者には明瞭な差が認められた.REEに枯渇したザクロ石コロナの形成は,1)反応物相(スピネル,メルト)のREE組成,または(2)ザクロ石成長中にHREE副成分相(例えば、ジルコンおよびモナザイト)の結晶化に起因すると考えられる.