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[S2-04] 酸素同位体を用いた地質速度計: 高温変成作用下で岩石―水相互作用を記録するザクロ石への適用
キーワード:酸素同位体、ザクロ石、SIMS、塩水、グラニュライト
近年、分析技術の向上と実験的研究の進歩により、ザクロ石中の酸素の拡散係数が制約され、地質速度計として用いる基盤が整いつつある。そこで本研究では、東南極セール・ロンダーネ山地バルヒェン山に産する、ザクロ石―黒雲母―珪線石片麻岩中のザクロ石に対して、酸素同位体を用いた地質速度計を適用し、高温継続時間の見積りをおこなった。本試料のザクロ石斑状変晶は、リンの濃度でコアとリムを明瞭に認識でき、コア形成後に、塩水が流入したことが示唆されている (Higashino et al., 2013)。本ザクロ石のコアからリムにかけて、SIMSを用いた酸素同位体比の線分析を行った。その結果、コアからリムにかけて酸素同位体比は徐々に減少し、コア・リム境界を中心に対称なプロファイルが得られた。このプロファイルを拡散方程式でフィッティングし、既知の拡散係数を用いると、リム形成後の高温継続時間は約0.5-40 Myrと見積もることができた (Higashino et al., in press)。