一般社団法人日本鉱物科学会2019年年会・総会

講演情報

ポスター

S2: 岩石-水相互作用 (スペシャルセッション)

2019年9月20日(金) 09:30 〜 17:00 A-プレゼンスペース (イースト1号館)

09:30 〜 17:00

[S2P-01] かんらん石の溶解速度から制約される蛇紋岩反応速度

*大柳 良介1、桑谷 立1、鈴木 勝彦1 (1. JAMSTEC)

キーワード:かんらん石、反応速度、蛇紋岩化作用、水熱実験

海洋底における蛇紋岩化反応は海洋リソスフェアの物理的・化学的性質を大きく変化させ,沈み込み帯へ持ち込む水のフラックスを決定するプロセスである.蛇紋岩化反応における律速過程は、かんらん石の溶解であることが示唆されている(Malvoisin et al.,2012).しかし,これまで150°C以上でのかんらん石の溶解速度は測定されたことがないため(Rimstidt et al. 2012),蛇紋岩化反応速度とかんらん石の溶解速度の直接的な比較はなされてこなかった.本研究では,流通式水熱実験装置を用いて200~300度におけるかんらん石溶解速度の温度(200~300度),pH依存性を明らかにする.シリンジポンプで反応溶液(0.5mol NaCl/kg)を定流量(2.0 ml/min)で流し,反応後の溶液を適宜回収し,溶液化学組成の時間変化データから反応速度を求める.反応溶液の温度を変化させた実験を複数行い,それぞれの化学制約条件における溶解速度を求める.実験結果を溶解速度式によってモデル化し,それを用いて既往の蛇紋岩化反応速度式と比較し,蛇紋岩化反応の律速過程について議論を行う.