一般社団法人日本鉱物科学会2019年年会・総会

講演情報

口頭講演

S3:北東アジアの鉱物・岩石・資源 (スペシャルセッション)

2019年9月22日(日) 09:15 〜 12:00 A-117 (イースト1号館)

座長:中野 伸彦、苗村 康輔、足立 達朗

10:30 〜 10:45

[S3-05] ベトナム・コンツム地塊,カンナック岩体,ペルム紀-三畳紀,火成作用と変成作用の関係

*大和田 正明1、小山内 康人2、中野 伸彦2、北野 一平2、足立 達朗2 (1. 山口大学・院創成科学、2. 九州大学)

キーワード:コンツム地塊、花崗岩類、泥質片麻岩、モナズ石EMP年代、ジルコンU–Pb年代

中部ベトナムコンツム地塊には,高温〜超高温変成作用を被った変成岩類や各種火成岩類が分布する.コンツム地塊カンナック岩体の変成岩類はピーク変成作用時に1.2 GPaで1050 ˚Cに達していた.これら変成イベントは,ペルム紀末から三畳紀はじめにかけて怒った南中国地塊とインドシナ地塊の衝突によるとされた.しかしながら,変成作用と火成活動との関係には,不明な点が多い.そこで,本研究では,花崗岩のジルコンU–Pb年代をLA-ICP-MSによって求めた.今回新たに分析したざくろ石花崗岩のジルコンU–Pb年代は,それぞれ239.6 ± 3.9 Maと243.5 ± 3.4 Maである.また,モナザイトの化学年代によれば,泥質グラニュライトの変成年代は255 Maで,後退変成作用の時期は233 Maである.これまでカンナック岩体から公表された火成岩や変成岩類の年代値を考慮すると,超高温変成作用の年代は260〜250 Maに起こり,高温変成作用は255〜240 Maに起こったと想定される.そして,火成活動も変成作用と同じく,260〜240 Maまで,ほぼ連続して起こったと推察される.