1:20 PM - 1:30 PM
[O3-D-PM1-01] Sheath-like structure composed of fibroblasts and thin fibrous layer along the intercalated ducts of rat major salivary glands.
Keywords:唾液腺、線維芽細胞、耳下腺
今まで我々はラット大唾液腺介在部導管周囲に、線維芽細胞が比較的密に導管上皮や筋上皮細胞を覆って鞘状に配列していることを発表してきた。今回は三次元立体画像構築の精度向上と、膠原線維の局在、線維芽細胞間の連結装置、また鞘状構造物の生後発生について主に耳下腺を対象に解析した。2, 4, 6及び8週齢ウィスター系ラットを潅流固定後、大唾液腺と膵臓の20μmの凍結切片を作成した。線維芽細胞を抗47kDa熱ショックタンパク質(HSP47)抗体で、筋上皮細胞を抗α平滑筋アクチン抗体で標識し、走査型レーザー顕微鏡で解析した。8週齢ラット耳下腺の三次元立体構築によって、HSP47陽性の線維芽細胞は特に導管分岐部に高い頻度に存在し、その突起を輪状に伸ばしていることが観察された。また線維芽細胞と基底膜の間には薄い膠原線維の薄層が存在したが、腺房や線条部導管周囲には認められなかった。導管周囲の線維芽細胞にはコネクシン43に対する免疫活性も認められた。生後発生では離乳後の4週齢から介在部導管周囲の線維芽細胞の密集が観察された。今回と従来の結果から、唾液腺介在部導管周囲の線維芽細胞の鞘状配列—介在部導管周囲鞘—では、線維芽細胞は互いにギャップ結合により連結・連携して、筋上皮細胞の収縮による導管短縮からの回復や強い唾液流からの導管の保護に寄与していると考えられる。また、離乳後の唾液腺機能の発達に関連して出現したと考えられる。