10:10 AM - 10:20 AM
[O3-E-AM2-04] High mobility group AT-hook 2 regulates osteoblast differentiation and facial bone development
Keywords:Hmga2、骨芽細胞分化、MC3T3-E1
High mobility group AT-hook 2 (Hmga2)は未分化間葉細胞に特異的な転写因子で、胎生期に強く発現し様々な臓器の形成に関わるとされる。Hmga2発現の増減は、ヒトの骨の形成と関連することが断片的に報告されているが、その詳細は不明である。本研究ではHmga2のマウス顔面骨形成と、間葉細胞の骨芽細胞分化に与える影響について解析した。
胎生8,10,12週齢の野生型マウスとHmga2ノックアウト(KO)マウスの顔面骨をµCT解析で比較したところ、Hmga2 KOマウスにおける顔面骨の各計測点間距離は、野生型マウスの約8割であった。次に、胎生12日~18日齢のマウス膜性骨化部位でのHmga2の発現と局在を組織染色により観察したところ、膜性骨化部位の染色が確認された。また、骨芽細胞分化能を有するマウス間葉細胞のHmga2 KO細胞を作製し、細胞染色とRNA-seq並びにChIP-Seqを行い、ウェスタンブロット、定量的リアルタイムPCR、ChIPにて検証した。Hmga2 KO細胞染色の結果、野生型細胞と比較してアルカリフォスファターゼ染色性が有意に減少するとともに、アリザリンレッド染色性の低下が認められた。RNA-seqと各種解析の結果、Hmga2 KO細胞の骨芽細胞の分化関連遺伝子の発現は、野生型細胞と比較して低下傾向が認められ、ChIP-Seq・ChIPではHmga2のWnt関連遺伝子近傍への結合が示唆された。
以上の結果より、Hmga2遺伝子の欠損は、マウス顔面骨の形成を抑制することが明らかとなった。また、胎生マウスにおいてHmga2が膜性骨化部位に発現していることが確認された。Hmga2 KO細胞を用いた実験結果より、Hmga2は間葉細胞の骨芽細胞分化に促進的に働くことで、顔面骨形成及び膜性骨化に影響する可能性が示唆された。
胎生8,10,12週齢の野生型マウスとHmga2ノックアウト(KO)マウスの顔面骨をµCT解析で比較したところ、Hmga2 KOマウスにおける顔面骨の各計測点間距離は、野生型マウスの約8割であった。次に、胎生12日~18日齢のマウス膜性骨化部位でのHmga2の発現と局在を組織染色により観察したところ、膜性骨化部位の染色が確認された。また、骨芽細胞分化能を有するマウス間葉細胞のHmga2 KO細胞を作製し、細胞染色とRNA-seq並びにChIP-Seqを行い、ウェスタンブロット、定量的リアルタイムPCR、ChIPにて検証した。Hmga2 KO細胞染色の結果、野生型細胞と比較してアルカリフォスファターゼ染色性が有意に減少するとともに、アリザリンレッド染色性の低下が認められた。RNA-seqと各種解析の結果、Hmga2 KO細胞の骨芽細胞の分化関連遺伝子の発現は、野生型細胞と比較して低下傾向が認められ、ChIP-Seq・ChIPではHmga2のWnt関連遺伝子近傍への結合が示唆された。
以上の結果より、Hmga2遺伝子の欠損は、マウス顔面骨の形成を抑制することが明らかとなった。また、胎生マウスにおいてHmga2が膜性骨化部位に発現していることが確認された。Hmga2 KO細胞を用いた実験結果より、Hmga2は間葉細胞の骨芽細胞分化に促進的に働くことで、顔面骨形成及び膜性骨化に影響する可能性が示唆された。