[P1-2-22] Bactericidal effect of ozone ultrafine bubble water against oral bacteria
Keywords:オゾン、ウルトラファインバブル、口腔細菌
【目的】オゾンは酸化作用により殺菌作用を示すが,水に難溶性かつ短時間で酸素に分解されるため,水溶液化が困難であった.そこで,気体をナノサイズの気泡にして水中に分散・安定させるウルトラファインバブル技術に着目し,医工連携により新たなオゾンウルトラファインバブル水(以下オゾンナノ水)発生装置を開発した.本研究では,オゾンナノ水のオゾン濃度の経時的変化,口腔細菌に対する殺菌作用,殺菌機序およびヒト歯肉上皮細胞に対する細胞毒性を調べた. 【方法】オゾンナノ水を密閉容器中において室温もしくは4℃で保管し,オゾン濃度の変化を経時的に測定した.次にオゾンナノ水を肺炎球菌,緑膿菌,う蝕病原性細菌,および歯周病原細菌の培養液に添加し,コロニーカウント法にて細菌の生存率を算定した.また,オゾンナノ水に曝露した肺炎球菌を透過型電子顕微鏡で観察した.さらに,ヒト歯肉上皮細胞株Ca9-22培養培地にオゾンナノ水を添加し,MTT細胞毒性試験を行った. 【結果】室温で12時間保管したオゾンナノ水のオゾン濃度は検出限界以下まで低下した.しかし,4℃で保管した場合は,24時間以上オゾン濃度が1 ppm以上に維持されていた.また,オゾン濃度1 ppm以上のオゾンナノ水は,供試した全ての菌株を30秒以内に死滅させた.透過型電子顕微鏡による観察において,オゾンナノ水に曝露した肺炎球菌の細胞壁の損傷が確認された.一方,オゾンナノ水はヒト歯肉上皮細胞に対して細胞毒性をほとんど示さなかった. 【考察】本研究で作製したオゾンナノ水は,4℃保管において殺菌作用を少なくとも12時間維持していた.また,ヒト細胞に対して低毒性であった.これらの結果から,オゾンナノ水を消毒薬として応用できる可能性が示された. 会員外共同研究者:多部田康一・牛田晃臣・清水香奈(新潟大),三室仁美(大分大) 【利益相反】利益相反状態にはありません.