The 65th Annual Meeting of Japanese Association for Oral Biology

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Poster

Poster session

Sat. Sep 16, 2023 1:20 PM - 7:00 PM Poster Presentation (121講義室)

[P1-2-25] X-ray crystallographic analysis of pilin protein produced by Streptococcus sanguinis.

〇Takebe Katsuki1,2,6, Suzuki Mamoru2, Higashi kotaro3,2,6, Yamaguti Masaya4,8,6, Sumitomo Tomoko5,6, Kawabata Shigetada6, Nakata Masanobu7,6 (1. Dept Oral Surg2, Osaka Univ Grad Sch Dent, 2. Inst protein res, Osaka Univ, 3. Dept Prosth Gerodont, Osaka Univ Grad Sch Dent, 4. Bioinfo Res Unit, Osaka Univ Grad Sch Dent, 5. Dept Oral Microbiol, Tokushima Univ Grad Sch Inst Biomed Sci, 6. Dept Oral Microbiol, Osaka Univ Grad Sch Dent, 7. Dept Oral Microbiol, Kagoshima Univ Grad Sch Med Dent Sci, 8. CiDER, Osaka Univ)

Keywords:Streptococcus sanguinis、X線結晶構造解析、線毛タンパク質

【目的】Streptococcus sanguinis は口腔内常在細菌である一方,感染性心内膜炎の病巣から高頻度に分離される代表的な細菌種である.これまで,本菌が産生する線毛は付着因子として機能し,バイオフィルム形成を促進することが示唆されてきた.本研究では,PiliX と名付けた新規線毛タンパク質の構造学的特徴の解明を目指した.【方法】細胞壁画分と抗 PiliX 抗血清を用いて線毛タンパク質の発現解析を行った.また,PiliX の組換えタンパク質を作製し,X 線結晶構造解析に供した.PiliX の構造に類似するタンパク質を検索するとともに,構造学的特徴を分子内相互作用にて評価した.【結果】発現解析により,PiliX が線毛タンパク質であることを確認した.2.9 Å の分解能で決定された立体構造には 4 ドメイン (ドメイン1〜4) が認められた.Streptococcus gordonii の付着タンパク質である Sgo0707 との相同性を有するアミノ基末端側のドメイン 1 に線毛サブユニットとの連結に必要な構造が認められなかったため,PiliX は線毛先端に配置されると考えられた.ドメイン 2 には,ドメイン 1と相互作用し構造安定化に寄与するループが認められた.ドメイン 3 は繰り返しモチーフを含む SHIRT ドメインであり,ドメイン内全体に疎水性ネットワークが存在した.ドメイン 4 は,構造未知のリピートモチーフを含む DUF 11 であった.【結論】PiliX は 4つの ドメインから構成され,ドメイン 1 の構造学的特性から,線毛先端タンパク質であることが示唆された.また,ドメイン 2 にはドメイン 1 を安定化させる特徴的なループ構造が存在することを明らかにした.さらに,SHIRT ドメインおよび DUF11 に関する新たな構造学的知見が得られた.