[P1-2-27] The oral microbiome is also involved in the degradation of the carcinogen acetaldehyde. -A simple screening method for acetaldehyde production and degradation
Keywords:口腔マイクロバイオーム、アセトアルデヒド、代謝
【目的】口腔マイクロバイオーム(OMB)構成細菌がエタノール(Et)や糖を代謝する際に産生するアセトアルデヒド(Ac)が、口腔、咽頭、上部消化管がんのリスク因子となることが注目されている。一方、我々の先行研究で、一部の口腔細菌がEt代謝の際にAcと共に酢酸を産生することが示され、Acをさらに分解していることが示唆された。このことから、OMBによる発がんリスクを評価するには、Ac産生能と共に、その分解能を同時評価する必要があると考えた。しかし、OMB構成細菌のAc分解能に関する知見はほぼない。そこで、OMB中のAc産生能及び分解能を持つ菌を簡易スクリーニングする方法の確立とAc分解能の高い菌種の探索を試みた。
【方法】同意を得た被験者6名の歯面より採取したOMBを、寒天培地で好気培養後、各コロニー細菌を分離培養した。11 mM Etまたは1 mM Acに、各コロニー細菌を滅菌爪楊枝にて少量加え、37度で30分間静置後、3-メチル-2ベンゾジアゾロンによるAcの呈色反応を用いて、各々のAcの産生能・分解能を吸光度変化から簡易評価した。さらに、被験者1名の試料を用いて、高Ac産生・分解活性を示した菌の菌種同定を試みた。
【結果と考察】今回確立した手法により、OMB中細菌のAc産生・分解能を同時に簡易スクリーニングすることが可能となった。Ac産生・分解菌の割合等は個人により大きく異なった。また、Ac産生・分解能が共に高い細菌としてNeisseria属が多く検出された。Ac産生・分解能をもつ菌の割合は個人差が大きかったことから、OMB細菌構成の違いが個人の口腔がん発症リスクの差に影響することが示唆された。Neisseria属といった口腔常在菌がAc分解を担っていたことから、今後、その代謝特性を解明し、Ac産生を抑制しAc分解を促進させることで発がんリスクを軽減するような方法の開発に繋げたい。
【方法】同意を得た被験者6名の歯面より採取したOMBを、寒天培地で好気培養後、各コロニー細菌を分離培養した。11 mM Etまたは1 mM Acに、各コロニー細菌を滅菌爪楊枝にて少量加え、37度で30分間静置後、3-メチル-2ベンゾジアゾロンによるAcの呈色反応を用いて、各々のAcの産生能・分解能を吸光度変化から簡易評価した。さらに、被験者1名の試料を用いて、高Ac産生・分解活性を示した菌の菌種同定を試みた。
【結果と考察】今回確立した手法により、OMB中細菌のAc産生・分解能を同時に簡易スクリーニングすることが可能となった。Ac産生・分解菌の割合等は個人により大きく異なった。また、Ac産生・分解能が共に高い細菌としてNeisseria属が多く検出された。Ac産生・分解能をもつ菌の割合は個人差が大きかったことから、OMB細菌構成の違いが個人の口腔がん発症リスクの差に影響することが示唆された。Neisseria属といった口腔常在菌がAc分解を担っていたことから、今後、その代謝特性を解明し、Ac産生を抑制しAc分解を促進させることで発がんリスクを軽減するような方法の開発に繋げたい。