[P1-3-46] Inhibitory effect of lycopene and xylitol on inflammation induced by P. gingivalis-derived LPS
Keywords:P.gingivalis LPS、ミクログリア、炎症性サイトカイン
【目的】脳ストレスはニューロンにダメージを与えるが、可塑性に富む脳免疫細胞であるミクログリアの機能を制御できれば脳内恒常性が保つことができる。さて、免疫細胞の機能は食材成分によって調整することができる。本研究では食材に含まれるリコピンとキシリトールがミクログリア機能制御できるかを検証し、食材による「脳ストレス緩和策」を提案する。【方法・結果】MG6細胞(mouse microglia cell line)を用いてP.gingivalis(Pg)由来LPS刺激によるTNF-aとIL-1bの発現ならびに酸化ストレス誘発に対するリコピン、キシリトールの作用効果を検討した。リコピン(0.1~10 uM)やキシリトール(2%)の添加は、MG6細胞の生存に影響しなかった。MG6細胞をPgLPS(1 mg/mL)で刺激するとTNF-aとIL-1bの発現は増加するが、その発現増加は2%キシリトール添加で有意に抑制できた。一方、10 uMリコピン添加では、TNF-a発現は有意に抑制されたが、IL-1b発現の抑制はみられなかった。興味深いことに、5 uMリコピンと1%キシリトールの併用添加によって、IL-1b発現は有意に抑制された。酸化ストレス解析では、Control(PgLPS非刺激群)と比較して、PgLPS刺激群のMitoSOX Redの蛍光強度は増加するが、5 uMリコピンと1%キシリトールとの併用添加により蛍光強度は有意に減少した。【結論】キシリトールとリコピンは、PgLPSによるミクログリアでのニューロン障害因子産生や酸化ストレス誘導を抑制することができる。また、キシリトールとリコピンのこの抑制効果には相加作用があることが明らかとなった。リコピンを多く含むトマトとキシリトールを多く含むイチゴなどを組み合わせて食事をすることにより、ストレスから脳を護ることができると考えられる。