[P2-2-05] Evaluation of fracture healing using ultrasound diagnostic system
Keywords:骨折治癒過程、超音波診断装置、骨幹部
【目的】超音波診断装置(以下、エコー)は、リアルタイムに観察を行うことができ、様々な分野で使用されている。骨折においても、主に診断を行うために用いられてきたが、経過観察ではあまり使用されていない。そのため、骨折治癒過程の各フェーズにおいて、どのような像が描出されるかは明らかとなっていない。本研究では、エコーで描出された画像をマイクロCTおよび組織像と対比し、解析を行った。
【方法】10週齢のWistar系雄性ラットの右大腿骨骨幹部の骨切り術を行い、髄内釘にて固定し、骨損傷モデルを作製した。術後直後から1週間おきに7週目までエコー観察を行った。
【結果】エコー観察では骨折直後に、皮質骨の連続性がない部分が認められた。2週目には骨折部周囲に低輝度域が観察され、骨折部の両端が隆起していることが認められた。3週目以降、低輝度域は減少していった。3週目以降、隆起している部位の距離は減少し、5週目で皮質骨の連続性が認められるようになった。マイクロCTでは、1週目に骨折部周辺の骨膜側に硬性仮骨が認められた。その後、骨折部に向かって硬性仮骨が形成され、6週目に骨折部を架橋し、仮骨間の距離は減少していった。組織学的な解析では、1週目で軟骨組織が骨折部近傍に形成され、2週目で最大となり、3週目以降はその量が減少していった。
【考察および結論】エコー観察で、骨折部近傍で観察された低輝度域は、組織学的解析の結果からから軟骨組織であると考えられた。また、マイクロCTとエコーにおける骨折部の観察結果も、一致していた。これらの結果から、骨折治癒過程におけるエコー観察は、骨折部の状態を把握するのに有用である可能性が示唆された。
【方法】10週齢のWistar系雄性ラットの右大腿骨骨幹部の骨切り術を行い、髄内釘にて固定し、骨損傷モデルを作製した。術後直後から1週間おきに7週目までエコー観察を行った。
【結果】エコー観察では骨折直後に、皮質骨の連続性がない部分が認められた。2週目には骨折部周囲に低輝度域が観察され、骨折部の両端が隆起していることが認められた。3週目以降、低輝度域は減少していった。3週目以降、隆起している部位の距離は減少し、5週目で皮質骨の連続性が認められるようになった。マイクロCTでは、1週目に骨折部周辺の骨膜側に硬性仮骨が認められた。その後、骨折部に向かって硬性仮骨が形成され、6週目に骨折部を架橋し、仮骨間の距離は減少していった。組織学的な解析では、1週目で軟骨組織が骨折部近傍に形成され、2週目で最大となり、3週目以降はその量が減少していった。
【考察および結論】エコー観察で、骨折部近傍で観察された低輝度域は、組織学的解析の結果からから軟骨組織であると考えられた。また、マイクロCTとエコーにおける骨折部の観察結果も、一致していた。これらの結果から、骨折治癒過程におけるエコー観察は、骨折部の状態を把握するのに有用である可能性が示唆された。