[P2-2-07] The Involvement of HEMA-Induced Reactive Oxygen Species in Activating the Nociceptor Ion Channel TRPA1 in Human Dental Pulp Cells
Keywords:HEMA、TRPA1、無限分裂歯髄幹細胞
【目的】歯の痛みは、う蝕、冷・機械刺激、化学刺激など様々な外部刺激により惹起される。歯の痛み刺激受容には歯髄に存在する侵害刺激受容体TRPチャネルファミリーのひとつであるTRPA1が関与していること、 細胞外ATPが神経伝達物質として痛覚受容機構において重要な役割を担うことが明らかにされているが、その機序の詳細について不明な点が多い。本研究では、セルフエッチングシステムで頻用される2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)誘導性細胞応答へのTRPA1関与を無限分裂ヒト歯髄幹細胞hDPSC-K4DTを用いて検証した。
【方法】まず、細胞毒性試験を行い、以後の解析に供するHEMA濃度を決定した。骨分化誘導培地で培養したhDPSC-K4DTをHEMA暴露し、TRPV1、TRPA1およびTRPV4の培養日数依存的な遺伝子発現量の変化、酸化ストレス応答関連マーカであるHO−1の遺伝子発現量、活性酸素(ROS)量、細胞外ATP量を解析した。
【結果】定量性RT-PCRの結果、hDPSC-K4DTにおいて、TRPA1、TRPV1、TRPV4の遺伝子発現が認められ、TRPA1が最も高い発現を示した。TRPA1の遺伝子発現量は骨分化誘導を開始して日数依存的に増加した。骨分化誘導培地で培養を行った後に30 mM HEMAを暴露したhDPSC-K4DTではHO-1遺伝子発現量、ROS産生と細胞外ATP量の増加が認められた。また、30 mM HEMA暴露により産生されたROSと細胞外ATP量は、ROS抑制剤とTRPA1選択的アンタゴニストにより減少した。
【結論】歯髄細胞においてHEMA暴露により産生された活性酸素はTRPA1の活性化に関与することが示唆された。本研究は、歯科材料に反応しTRPA1の活性化を介した歯の痛み受容分子メカニズムの解明を目指す基礎的研究に貢献し得る。
【方法】まず、細胞毒性試験を行い、以後の解析に供するHEMA濃度を決定した。骨分化誘導培地で培養したhDPSC-K4DTをHEMA暴露し、TRPV1、TRPA1およびTRPV4の培養日数依存的な遺伝子発現量の変化、酸化ストレス応答関連マーカであるHO−1の遺伝子発現量、活性酸素(ROS)量、細胞外ATP量を解析した。
【結果】定量性RT-PCRの結果、hDPSC-K4DTにおいて、TRPA1、TRPV1、TRPV4の遺伝子発現が認められ、TRPA1が最も高い発現を示した。TRPA1の遺伝子発現量は骨分化誘導を開始して日数依存的に増加した。骨分化誘導培地で培養を行った後に30 mM HEMAを暴露したhDPSC-K4DTではHO-1遺伝子発現量、ROS産生と細胞外ATP量の増加が認められた。また、30 mM HEMA暴露により産生されたROSと細胞外ATP量は、ROS抑制剤とTRPA1選択的アンタゴニストにより減少した。
【結論】歯髄細胞においてHEMA暴露により産生された活性酸素はTRPA1の活性化に関与することが示唆された。本研究は、歯科材料に反応しTRPA1の活性化を介した歯の痛み受容分子メカニズムの解明を目指す基礎的研究に貢献し得る。