The 65th Annual Meeting of Japanese Association for Oral Biology

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Poster

Poster session

Sun. Sep 17, 2023 9:00 AM - 6:00 PM Poster Presentation (121講義室)

[P2-2-19] Expression and localization of transmembrane-type serine-protease in salivary duct cells of aged mice

〇MIWAKO FUKUSHIMA1, Satoshi Inoue1, Naoko Nonaka1 (1. Dept Oral Anat Dev Biol, Showa Univ Sch Dent)

Keywords:唾液腺、セリンプロテアーゼ、加齢

【目的】加齢唾液腺では唾液分泌量の減弱並びに、導管周囲へのリンパ球浸潤や線維化が進行する。マトリプターゼは唾液腺の導管に発現し、周囲組織やタイト結合へ酵素活性を示すことで上皮の完全性を維持する可能性が議論されている。我々は唾液腺の加齢変化にマトリプターゼが関与するという仮説のもと、6週齢および80週齢の雌性マウスで遺伝子発現並びにタンパク質局在を比較検討した。【材料および方法】 6週齢および80週齢の雌性C57BL/6Nマウスを安楽死後、顎下腺を摘出した。mRNA発現はTrizol処理によりマウス臓器から抽出したTotal RNAを用い、リアルタイムPCRで検討した。細胞内局在は、抗マトリプターゼ抗体を用いた蛍光免疫染色を行い、共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察した。 【結果および考察】 リアルタイムPCRでは80週齢マウスの顎下腺で導管マーカーおよびマトリプターゼ共にmRNA発現量に著変が無かった。一方、マトリプターゼの基質であるタイト結合タンパク質のクローディン8は発現量が減弱していた。蛍光免疫染色の結果、6週齢の顎下腺では抗マトリプターゼ抗体が線条部導管および顆粒性導管の腺腔側に陽性となった。一方、80週齢では抗マトリプターゼ抗体の反応が著明に減弱していた。また、クローディン8の局在がタイト結合付近から基底膜付近へと変化していた。以上のことから、加齢唾液腺の導管においてマトリプターゼのタンパク質量が変化し、導管組織の恒常性に影響を与えている可能性が示唆された。