The 65th Annual Meeting of Japanese Association for Oral Biology

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Poster

Poster session

Sun. Sep 17, 2023 9:00 AM - 6:00 PM Poster Presentation (131講義室)

[P2-3-13] Analysis of the molecular mechanism of taste modulation in a postmenopausal osteoporosis mouse model

〇Yuko Kawabata1, Takai Shingo1,2, Iwata Shusuke3, Sanematsu Keisuke1,4,5, Kanematsu Takashi6, Jimi Eijiro5,7, Shigemura Noriatsu1,4 (1. Sect Oral Neurosci, Kyushu Univ Grad Sch Dent, 2. DDR Ctr, Kyushu Univ Grad Sch Dent, 3. Sect Oral Physiol, Asahi Univ Sch Dent, 4. R&D Ctr Five-Sense Dev, Kyushu Univ, 5. OBT Res Ctr, Kyushu Univ Grad Sch Dent, 6. Sect Cell Biol Aging Sci & Pharmacol, Kyushu Univ Grad Sch Dent, 7. Sect Mol Cell Biochem, Kyushu Univ Grad Sch Dent.)

Keywords:味覚、閉経後骨粗鬆症、カルシウム味

閉経後の女性は、女性ホルモンの欠乏により骨密度が低下する一方で、味覚嗜好性にも変化を生じることが報告されている。味覚は、生理的な栄養・ミネラル需要を反映した摂食行動の調節に重要な役割を果たしており、閉経後の骨カルシウム代謝の異常が末梢の味覚器におけるミネラルやイオンセンシングの変調をきたすことが予想される。本研究では、閉経後骨粗鬆症 (卵巣摘出(OVX)による骨量減少)モデルマウスを用いて、電解質の呈する味覚(塩味、酸味、カルシウム味)に対する嗜好性、および味蕾の遺伝子発現変化を解析した。8週齢メスマウスに偽手術 (sham)およびOVX後、10週間通常飼育した。OVXマウスは、shamマウスと比較して、骨密度の有意な低下、また血中カルシウム濃度の有意な増加が認められた。様々な濃度の塩味 (NaCl、KCl)、酸味 (citric acid)、カルシウム味 (CaCl2)溶液を呈示した時の10秒間リック (舐め)回数を計測した。その結果、塩味および酸味の嗜好あるいは忌避行動に変化はなかったが、カルシウム味に対する忌避行動が、OVX群で有意に増強した。さらに、shamマウスとOVXマウスの有郭乳頭味蕾を採取し、RNA-seqによる遺伝子発現変動の網羅的解析を行った。その結果、OVX群で金属イオン結合やカルシウムチャネル活性に関連する遺伝子群の発現増加が認められた。以上より、OVXマウスはカルシウム味に対する細胞応答が亢進し、忌避性が増強すること、ならびに味覚器における金属イオン結合やカルシウムチャネル活性関連遺伝子の発現が上昇する可能性が示唆された。