The 65th Annual Meeting of Japanese Association for Oral Biology

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Poster session

Sun. Sep 17, 2023 9:00 AM - 6:00 PM Poster Presentation (131講義室)

[P2-3-22] Association between nausea and vomiting in early pregnancy and fever after BNT162b2 Covid-19 vaccination

〇Rie Fujiyama1 (1. Dept Clin Educ Gen Dent, Nagasaki Univ Grad Sch Biomed Sci)

Keywords:つわり、免疫応答、Covid-19 mRNA ワクチン

妊娠初期の吐き気・嘔吐は、多くの妊婦で認められる症状であり、その大部分は自然軽快することから、本邦では「つわり」と呼ばれ生理的現象と見なされる。しかし、妊婦のQOLの低下は軽微なものと断定することはできず、一部の妊婦では、妊娠悪阻と呼ばれる重症型に発展しうることから、その発症機序の解明は重要と考えられる。これまでに、内分泌異常,代謝異常,消化管障害,心理的要因などの関与が報告されているが、原因であるのか結果であるのかが判然とせず、不明の点が多い。父親から受け継いだアロ抗原を胎児が発現するため、母体の免疫応答がつわりに関与している可能性が考えられるが、これを明確に示した報告はない。Covid-19 mRNA ワクチン(新型コロナワクチン)は、これまでのワクチンに比べ、より強い非特異的および特異的な免疫応答をもたらすことが報告されている。 そこで、今回、免疫反応性がつわりに関与している可能性を検討する目的で、ワクチン2回接種後の有害事象(AE)とつわり既往歴との関連性を調査した。 長崎大学病院に勤務する非妊娠女性で、妊娠経験があり、ワクチンを2回接種した308名を対象にアンケート形式で調査を実施した。ワクチン接種後のAEには、様々な症状が報告されているが、最も客観的な指標である発熱とつわり既往歴の関連性を検討した。多変量ロジスティック回帰分析から、ワクチン接種後の発熱は、年齢(オッズ比、0.72;95%信頼区間、0.55-0.94)および体重(0.86;0.71-1.03)よりも、つわり既往歴(1.84;1.13-3.02)と強く相関した。 本研究結果は、母体側の免疫応答が、新型コロナワクチンによる発熱とつわり発症に関与している可能性を示唆する。免疫応答は生体防御に利する資質であると考えられるが、胎児に影響しない母体の免疫制御が可能となれば、妊婦のQOL向上への寄与が期待される。