[P3-2-06] Effect of tetrahydrobiopterin on osteoclast differentiation
Keywords:破骨細胞分化、一酸化窒素合成酵素、テトラヒドロビオプテリン
【目的】歯列矯正モデル動物や歯列矯正患者の圧迫側の歯周組織では,骨吸収とともに一酸化窒素合成酵素(NOS)の遺伝子発現と一酸化窒素(NO)量の増加が報告されている。また,歯列矯正モデル動物にNO前駆体,あるいはNOS阻害剤を持続的に投与すると,歯の移動量が変化することから,NOは破骨細胞の分化や活性化に関与していると考えられている。NOSはアルギニンからのNO合成にとって必須の酵素であり,その活性は補酵素であるテトラヒドロビオプテリン(BH4)によって調節されている。本研究ではBH4がNOSを介した破骨細胞分化にどのような影響を及ぼすかを検討した。
【方法】マウスマクロファージ様株化細胞のRaw246.7を48ウェルプレート上に1ウエルあたり2 × 103個の細胞密度で播種し,一晩培養した。その後,100 ng/mLのRANKLと100 µMのBH4を添加して,4日間の培養後,TRAP染色を行うことで破骨細胞数を計測した。同時に,破骨細胞のマーカーのNfatc1,カテプシンK,DCSTAMPの発現をリアルタイムPCRで調べた。また,細胞内のBH4は,高速液体クロマトグラフィーで分取し,蛍光検出器で定量した。
【結果】RANKLとBH4をRaw246.7に加えた場合,RANKLのみを加えた場合よりも破骨細胞数が約2.7倍に増加した。このとき,Nfatc1とカテプシンKの発現もRANKLのみの場合よりも,それぞれ約1.3および約3倍に増加した。しかし,DCSTAMPの発現は,BH4による影響を受けなかった。RANKLのみの場合,細胞内BH4量は約0.2 pmol/ウエルであったが,BH4と共培養することで約5倍に増加した。
【結論】BH4は細胞内に急速に取り込まれ,破骨細胞分化を誘導するが,細胞同士の融合は促進しないことが示唆された。
【方法】マウスマクロファージ様株化細胞のRaw246.7を48ウェルプレート上に1ウエルあたり2 × 103個の細胞密度で播種し,一晩培養した。その後,100 ng/mLのRANKLと100 µMのBH4を添加して,4日間の培養後,TRAP染色を行うことで破骨細胞数を計測した。同時に,破骨細胞のマーカーのNfatc1,カテプシンK,DCSTAMPの発現をリアルタイムPCRで調べた。また,細胞内のBH4は,高速液体クロマトグラフィーで分取し,蛍光検出器で定量した。
【結果】RANKLとBH4をRaw246.7に加えた場合,RANKLのみを加えた場合よりも破骨細胞数が約2.7倍に増加した。このとき,Nfatc1とカテプシンKの発現もRANKLのみの場合よりも,それぞれ約1.3および約3倍に増加した。しかし,DCSTAMPの発現は,BH4による影響を受けなかった。RANKLのみの場合,細胞内BH4量は約0.2 pmol/ウエルであったが,BH4と共培養することで約5倍に増加した。
【結論】BH4は細胞内に急速に取り込まれ,破骨細胞分化を誘導するが,細胞同士の融合は促進しないことが示唆された。