The 65th Annual Meeting of Japanese Association for Oral Biology

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Poster

Poster session

Mon. Sep 18, 2023 8:30 AM - 3:50 PM Poster Presentation (121講義室)

[P3-2-18] Effects of soft diet on cementum and periodontal ligament of growing rats

〇Yoshiyuki Nakamichi1,2, Shigeru Takahashi2, Tsuneyuki Yamamoto2, Yoichi Ohiro1 (1. Dept Oral Maxillofac Dent, Hokkaido Univ Grad Sch Dent Med , 2. Dept Oral Functional Anat, Hokkaido Univ Grad Sch Dent Med)

Keywords:液状食、歯周組織、BrdU

現代の食生活では軟らかい食物を摂取する機会が増えてきており,特に幼少期ではその傾向が顕著である.このような食生活が,成長期の歯周組織に与える影響を組織学的に検討した研究は少なく不明な点が多く残されている.今回我々は,成長期ラットに液状飼料を継続的に摂取させたときセメント質と歯根膜にどのような影響が及ぶのかを形態学的,免疫組織化学的に明らかにすることを目的とした.実験には生後21日齢で離乳したWistar系雄性ラットを用いた.対照群には通常の固形飼料を,実験群には同飼料を粉末状にしたものと水道水で作製した液状飼料を与え,0〜8週間飼育した.飼育が終了した動物には,5-bromo-2’-deoxyuridine(BrdU)を腹腔内投与し,1時間後に4%パラホルムアルデヒド溶液にて灌流固定した.摘出した上顎を10%EDTA溶液で脱灰後,パラフィン包埋し第一臼歯近心根付近の矢状断切片を作製した.切片にはヘマトキシリン・エオジン(HE)染色を施し,歯根膜とセメント質を組織学的に観察するとともに組織計量学的解析を行った.また, BrdU免疫染色を施し,歯根膜における細胞増殖活性を計測した. HE標本では,各群,各期間とも歯根膜には豊富な線維が規則的に配列していた.組織計量学的には,歯根膜の幅と面積は各週において両群間に有意差は認められなかった.有細胞セメント質は,両群とも経時的に増加傾向を示していた.実験群の有細胞セメント質の厚みや面積は2〜8週において対照群よりも有意に少なかった.BrdU免疫染色では,歯根膜にみられる陽性細胞は両群とも経時的に減少していた.歯根膜中のBrdU陽性細胞数は,1~2週において対照群より実験群の方が有意に少なかった.以上の結果から,成長期における液状飼料摂取によりラット歯周組織,特にセメント質の発育は抑制されることが明らかとなった.