[P3-3-07] Behavioral experiments in binary sweet or sour solutions in the rats
Keywords:味覚、味質の識別、味覚嫌悪条件づけ
【目的】片川ら(2016)は、ラットが混合味溶液の含有物を識別できることを報告しているが、この報告は、味質の異なった物質を混合した場合を対象としている。本研究では、同一味質である「甘味+甘味」または「酸味+酸味」の混合味溶液の含有物をラットが識別できるかについて検討した。
【方法】7週齢の雄性Wistar / STラット(n=39)を実験群と対照群に分けて、1日絶水した後、5日間トレーニングとして蒸留水を1日あたり10分間飲水させた。翌日、条件刺激として甘味または酸味溶液を与えた直後に、無条件刺激として0.15M LiClを体重あたり2%量腹腔内投与した。対照群には、LiClの代わりに生理食塩水を用いた。1日の回復日を挟んで、10秒間リックテストを5〜10日間行った。テスト溶液として、0.5Mの甘味溶液(グルコース;G、フルクトース;F、シュクロースなど)を、10mMの酸味溶液(塩酸;H、クエン酸、アスコルビン酸など)を、混合味溶液にはこれらから2成分を混合したものを用いた。
【結果と考察】GまたはFを条件刺激としたとき、実験初日は条件刺激を含有しているかどうかに関わらず呈示した甘味溶液全般を忌避したが、実験を重ねるにつれ、条件刺激含有溶液を選択的に忌避する傾向が見られた。Hを条件刺激としたとき、実験初日は味質に関わらず呈示した味溶液全般を忌避する個体とHの含有の有無に関わらず酸味溶液全般を忌避する個体が見られたが、実験を重ねるにつれ、H含有溶液を選択的に忌避する傾向が見られた。以上の結果は、ラットが同一味質の混合味溶液含有物の識別、あるいは、混合味溶液の味質強度の違いに依存した可能性が考えられる。
【方法】7週齢の雄性Wistar / STラット(n=39)を実験群と対照群に分けて、1日絶水した後、5日間トレーニングとして蒸留水を1日あたり10分間飲水させた。翌日、条件刺激として甘味または酸味溶液を与えた直後に、無条件刺激として0.15M LiClを体重あたり2%量腹腔内投与した。対照群には、LiClの代わりに生理食塩水を用いた。1日の回復日を挟んで、10秒間リックテストを5〜10日間行った。テスト溶液として、0.5Mの甘味溶液(グルコース;G、フルクトース;F、シュクロースなど)を、10mMの酸味溶液(塩酸;H、クエン酸、アスコルビン酸など)を、混合味溶液にはこれらから2成分を混合したものを用いた。
【結果と考察】GまたはFを条件刺激としたとき、実験初日は条件刺激を含有しているかどうかに関わらず呈示した甘味溶液全般を忌避したが、実験を重ねるにつれ、条件刺激含有溶液を選択的に忌避する傾向が見られた。Hを条件刺激としたとき、実験初日は味質に関わらず呈示した味溶液全般を忌避する個体とHの含有の有無に関わらず酸味溶液全般を忌避する個体が見られたが、実験を重ねるにつれ、H含有溶液を選択的に忌避する傾向が見られた。以上の結果は、ラットが同一味質の混合味溶液含有物の識別、あるいは、混合味溶液の味質強度の違いに依存した可能性が考えられる。