[P3-3-29] Comparison of preferences for flavor in vitamin C-deficient and sufficient rats
Keywords:フレーバー、ビタミンC、摂取行動
糖質などの快感を呈する味刺激や内臓からの情報(無条件刺激;US)と連合した香り(フレーバー)(条件刺激;CS)を好ましく思うようになる学習をフレーバー嗜好学習という(山本 2016年)。本研究では、アスコルビン酸(ビタミンC;VC)合成能を持たないosteogenic disorder Shionogi /shi Jcl-od/odラットが酸味を呈するVC溶液をUSとしたフレーバー嗜好学習を獲得できるのかどうかを明らかにするために、48時間2瓶選択試験(試験1〜5)を行った。試験1、試験3と試験4では、チェリーの香りづけをした水(VCと連合した香りの水;CS+W)とグレープの香りづけをした水(水と連合した香りの水;CS−W)を2瓶で呈示し、CS+W摂取率(CS+W摂取量/総摂取量×100)を求めた。試験2と試験5では、チェリーの香りづけをしたVC溶液(CS+VC)とCS−Wを2瓶で呈示し、CS+VC摂取率(CS+VC摂取量/総摂取量×100)を求めた。8日間の学習期間にCS+VC及びCS−Wを呈示した後、ラットを2群に分け、14日間VC欠乏群にはVC非含有餌と蒸留水を与え、充足群にはVC含有餌と蒸留水を与え、試験1〜3を順次行った。次の5日間にCS+VCを呈示した後、試験4〜5を行った。その結果、平均CS+W摂取率は、欠乏群(試験1:43%、試験3:52%、試験4:41%)と充足群(試験1:60%、試験3:53%、試験4:58%)との間に有意差はなかった。平均CS+W摂取率と比べて試験2の平均CS+VC摂取率は、充足群では34%で有意に低かったが、欠乏群では45%で有意差はなかった。また、試験5では両群ともに約20%であった。以上の結果から、VC欠乏ラットは、VC溶液をUSとしたフレーバー嗜好学習を獲得せずに、VC溶液の摂取を増やしている可能性が示唆された。