The 65th Annual Meeting of Japanese Association for Oral Biology

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Symposium

US1

「口腔顔面の形態形成研究の現在と展望」

Sat. Sep 16, 2023 3:50 PM - 5:20 PM B会場 (123講義室)

座長:井関 祥子(医科歯科大 院医歯 分子発生・口腔組織)、山城 隆(阪大 院歯 矯正)

4:12 PM - 4:34 PM

[US1-02] The Role of Glycosaminoglycans in Craniofacial Morphogenesis

〇Toshihiro Inubushi1 (1. Dept Orthodont, Osaka Univ Grad Sch Dent)

Keywords:糖鎖、頭蓋顔面の発生、先天異常

頭蓋顎顔面領域に表現型の現れる先天異常は、咀嚼・発音・呼吸・嚥下といった機能障害とならんで、社会的心理的な活動に大きな影響を与え、QOL を著しく低下させます。糖の繰り返し構造からなる多糖鎖(グリコサミノグリカン糖鎖; GAG 糖鎖)はシグナル分子との多彩な相互作用を通して生物の多様で複雑な器官形成を可能にしていると考えられています。GAG 糖鎖の合成・代謝酵素をコードする遺伝子の異常を原因とする先天異常症候群の多くが、頭蓋顎顔面や歯の形態異常を伴っていることから、頭蓋顎顔面の発生や形態形成においても重要な役割を果たしていると考えています。本発表では、GAG糖鎖の合成・代謝酵素のノックアウトマウスの表現型解析の結果をご紹介するとともに、そこからから得られた知見をもとに、頭蓋顎顔面の発生や形態形成における多様な作用について考察します。最後に、GAG糖鎖研究の課題や今後の展望についてお話しさせていただきます。