The 65th Annual Meeting of Japanese Association for Oral Biology

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Symposium

US11

「哺乳類の歯や嚥下を考える:比較解剖学と動物歯科学の接点と発展」

Mon. Sep 18, 2023 1:00 PM - 2:30 PM B会場 (123講義室)

座長:島津 德人(麻布大 生命・環境科学 食品生命)、田畑 純(医科歯科大 院医歯 分子発生・口腔組織)

1:22 PM - 1:44 PM

[US11-02] oral disease in aging animals

〇YOSHIHIDE OKAZAKI1 (1. Div Pediatr Dent, Med Sci Univ Mongolia Sch Dent)

Keywords:動物、高齢化、歯科疾患

現在、日本は超高齢社会であるが、動物園の動物も高齢化が進んでいる。それに伴い獣医師は、かつて動物に見られなかった疾患が増えているという。それが歯に関するものである。顎骨の炎症や歯を失うことは,寿命に影響する。
 そこで動物を長生きさせるために,大型の肉食獣など全身麻酔で定期健康診断を行う時,歯周病予防のため歯石の除去などを行なうこともある。
 動物園では、昨日まで元気であった動物が翌朝には死んでいることが多い。そもそも野生動物は、どれだけ体調が悪くても、他の動物に気づかれないようにしている。気づかれると殺されるためである。当然、動物園でも同じ習性を持っている。きっと亡くなった動物は、最後まで我慢して息絶えたと考えられる。すると獣医師は、もっと早く体調が悪かったことに気がつけば、助けられたのではないかと考える。
 では、体調の悪さは、どこを見ればわかるのだろうか? それは食欲である。そもそも、自然界には食物が少ないので、食欲がなければ、かなり体調が悪いはずだ。では、食欲がなければ、まずどこを見ればよいのだろう? それが口腔の状態である。実際、動物を見ていると外傷や歯周病が多い。 
しかし、動物に応じて歯や歯根の形態・歯槽骨の状態が異なるため処置法がわからない 。そのような背景から、動物園の獣医師から歯科疾患についてアドバイスを求められることが増えた。今回、その一部を紹介する。