日本学生相談学会第42回大会

大会プログラム概要

1. ワークショップ

5月25日(土) 13:00~18:00

 詳細は「ワークショップ」メニューを参照してください。
 

2. 研究発表・ポスター発表

5月26日(日) 9:30~17:20

 詳細は「研究発表」メニューを参照してください。
 

3. 大会特別企画「先達と語る」

5月26日(日) 11:10~12:40
講演者:吉武 清實 氏(よしたけ きよみ ・仙台高等専門学校・鶴岡高等専門学校)
司会:小島 奈々恵(東北大学)
 

講演概要

 カウンセラーとして成長するとはどういうことか、また、スーパーバイザーとして成長するとはどういうことか。20代から73歳の現在までのカウンセリング、スーパービジョン経験を通じて私の中で言語化されてきた援助のための姿勢・原則系をお示しし、SVの意義・普及の問題とあわせて参加の皆さんとともに考える機会とさせていただくことができればと思います。大学を退いてから8年、閑増せば不全経験の想起されることも増します(そのつどに“ヘタクソだったな”という慚愧と申し訳なさの念)。一方でのたまたま首尾よく運んだ自全経験の記憶。お示しするのは、それらにおいて私が採った姿勢・原則・スキルです。
 

講演者紹介

 30〜40代には家庭や学校・施設へ赴いてのコンサルテーション(自閉症、重複障害、不登校、「問題行動」の子どもとのかかわり)、精神障害の人の居場所・作業所づくり、49歳で学生相談の世界へ。SVの経験は50代後半から。退職後は、職員と学生の相談を週半日ずつ。


 

4. 学会賞受賞記念講演

5月27日(月) 9:00~10:20
講演者:山中 淑江 氏(やまなか よしえ ・立教大学・2023年度本学会賞受賞者)
司会:高野 明(本学会理事長・東京大学)

テーマ

「学生の相談にみる母-娘関係の問題」
 

講演概要

 大学生は親の庇護下にありますが、卒業して親から自立する直前にあるともいえます。一方、親世代は子どもである学生が自立すれば、親としての役割は終わり、大きな喪失が目前に近づきつつあります。大学生の家族は、学生と親の双方にとっての発達上の大きな課題に直面しています。近年、家族の問題を主訴として来談する学生の数が増えています。また、学生の様々な問題の背景に、家族の歪みが存在していることが少なくありません。父親と母親の役割は多くの場合異なり、また同性の親子と異性の親子の関係性も異なります。今回は、現代の家族が抱える問題のなかで、母親との関係に悩む女子学生の事例を通じて、母親と娘との関係性とそこに潜む学生の成長への阻害要因、そしてアプローチについて、わたくしが学生たちから学んできたことをお話します。
 

講演者紹介

 国際基督教大学大学院博士後期課程を博士候補資格取得後退学。立教大学に大学カウンセラーとして入職。女子寮ミッチェル館勤務を経て、学生相談所勤務となり現在に至る。個別面接と心理教育プログラムの実践と研究を行っている。
 

5. 大会シンポジウム

5月27日(月) 10:30~12:20

テーマ

「学生相談は高等教育においてどのように機能し得るのか」

 

講演概要

 学生相談に携わる者は、「学生相談は学生の人間形成を促すものであり、大学教育の一環である」という認識を持ち、個別相談への対応を中心に全学生を対象とした予防的働き掛けや教職員の支援等、多様な活動を行ってきている。一方、学生相談機関の設置状況やスタッフ数の推移を見たとき、それらが充実化の方向にあるとは必ずしも言えない。
 このことをどう捉えればよいのだろうか。学生相談担当者同士がお互いに励まし合い、研鑽することは大切であるが、同時に、「大学やその構成員から理解・信頼を十分得られているか」、「学生相談担当者が大学等での教育にどれだけの役割や責任を持ち得ているか」についての改めて問い直すことも必要だと思われる。本シンポジウムでは、学生相談や学生支援の実践という視点と合わせて、高等教育、大学運営という視点からの検討により、学生相談の果たす役割や機能について議論を深める場としたい。

講演者紹介

シンポジスト:鈴木 健一 氏(すずき けんいち・名古屋大学)
 「学生相談カウンセラーの視点から」
 名古屋大学学生支援本部副本部長/学生相談センター長。2011年名古屋大学学生相談総合センター着任。カウンセラー不足の低迷期に他大学を視察し大学執行部の理解を得てV字回復。その経験から大学運営に必要な学生相談を日々模索している。2021年より現職。





シンポジスト:布柴 達男 氏(ぬのしば たつお・国際基督教大学)
 「学生支援士・教員の視点から」
 国際基督教大学教養学部教授。専門は生物学と環境研究。2004年度から東北大学の学生相談員、2009年度に現職着任後、2014-2018年度には学生部長を務める。2013年度に学生支援士取得、2015年に学会特別賞受賞、学生支援士資格認定委員を務めている。




シンポジスト:大山 泰宏 氏(おおやま やすひろ・放送大学)
 「高等教育論の視点から」
 1997年京都大学大学院教育学研究科博士課程研究指導認定退学。博士(教育学)。京都大学で高等教育研究開発推進センター准教授、大学院教育学研究科准教授等を経て、現在放送大学教授。「高等教育論から見た学生相談」等の論文、著書多数。




シンポジスト:滝澤 博胤 氏(たきざわ ひろつぐ・東北大学)
 「大学執行部の視点から」
 東北大学大学院工学研究科応用化学専攻,教授。1990年より東北大学工学部に入職し,総長特別補佐,未来科学技術共同研究センター長,工学研究科長・工学部長等を歴任。2018年より理事・副学長(教育・学生支援担当)。




指定討論者:福盛 英明 氏(ふくもり ひであき・九州大学) 
 九州大学キャンパスライフ・健康支援センター学生相談カウンセリング部門教授・学生相談室長。九州大学大学院人間環境学府教授(兼任)。博士(心理学)。臨床心理士・公認心理師。日本学生相談学会理事。




司会:斉藤 美香(札幌学院大学)、池田 忠義(東北大学)
 

6. 大会特別講演

5月27日(月) 14:50~16:30
講演者:須江 航 氏(すえ わたる ・仙台育英学園高等学校硬式野球部監督・情報科教諭)
司会:池田 忠義(東北大学)

テーマ

「若者を育てる-伝わる言葉-」
 

講演概要

 どうすれば相手に言葉が伝わるのか。現役時代に野球選手としての実績がない私は、「言葉」ばかり考えています。高校野球部監督として、教師として、多くの高校生たちと関わり、試行錯誤しながら学んできた「伝わる」コミュニケーションについてお話しさせていただきます。
 

講演者紹介

1983年生まれ、埼玉県鳩山町出身 仙台育英学園高等学校・八戸大学卒。

大学卒業後の2006年、創部間もない仙台秀光中等教育学校の野球部監督に就任し、2014年には第36回全国中学校軟式野球大会で優勝。2018年より仙台育英学園高等学校硬式野球部監督を務める。2022年8月、第104回全国高等学校野球選手権大会において優勝、東北勢初の全国制覇に導いた。(中学、高校ともに日本一に導いた史上初の監督)2023年夏。翌年2連覇を狙った第105回大会でも強豪を撃破しながら、2年連続決勝戦まで進出し準優勝を飾った。

また104回大会の優勝インタビューでコロナ禍の中の高校生たちの思いを代弁した「青春ってすごく密なんです」という言葉は、2022年11月の新語・流行語大賞の候補にノミネートされ選考委員特別賞を受賞した。

著書に「伝わる言葉。失敗から学んだ言葉たち」(2023集英社)、「仙台育英日本一からの招待 幸福度の高いチームづくり」(2022カンゼン)などがある。



 

7. 会員集会

5月27日(月) 13:20~14:20

 本学会の2023年度の事業報告と2024年度の事業計画の説明、学会各賞の表彰等が行われます。会員の皆様はぜひご出席下さい。
 

8. 懇親会

5月26日(日) 17:40~19:20

 川内杜のダイニング(東北大学川内北キャンパス)において懇親会を開催します。楽しく和やかな交流の機会となりますよう、多くの皆さまのご参加をお待ちしております。
 

9. その他行事

5月26日(日)14:10~15:40

 第2回学生支援士会ミーティング 


5月26日(日)15:50~17:20

 第9回大学カウンセラー会ミーティング