The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

Session information

シンポジウム

オンデマンドプログラム » シンポジウム

シンポジウム8
台湾におけるCOVID-19 と学校保健

佐々木司(東京大学),照屋博行(福岡教育大学・九州共立大学名誉教授),大沼久美子(女子栄養大学)

 台湾では2021年7月9日現在までで,合計677人の園児・児童・生徒・学生の感染が確認されている.校種別内訳は大学生215人,高校生108人,中学生105人,小学生177人,幼稚園児72人である.世界保健機関(WHO)は子供の健康と福祉,教育の観点から,COVID-19感染流行下でもできるだけ学校の閉鎖は避けるべきとしている.しかしながら,2021年5月から7月にかけては,台湾全土で警戒レベル3が発せられたのを受けて学校は閉鎖され,オンラインでの学習が実施された.この期間(2021年5-7月)に,台湾全土を代表するサンプリングにより行われた調査(n=18,265人)によれば,児童・生徒の多くが学校に戻ることを望み(64.3%),学習は予定より遅れ(42.3%),また74%が対人交流の不足から落ち込みを感じていた.また80.0%は,感染することへの心配を感じていた.なお現在,台湾の学校でのCOVID-19への対応方針は以下の通りである:(1)全教職員のワクチン接種(最低1回の接種),(2)食事と飲料摂取時を除き,屋内外ともに全員がマスクを装着すること,(3)子供の家族を含め外部の人間の入構禁止,(4)教育活動中の対人距離(1.5m)の確保と集合人数の制限(屋内は50人,屋外は100人まで).
 結論:COVID-19感染流行下において,学校保健の専門家は日常的に子供達の落ち込み・不安と身体的健康のスクリーニングをについてチェックすべきである.子供達の心身の健康を改善するためのより多くの介入を学校において,またオンラインの活用で,急ぎ進める必要がある.