The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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新型コロナウイルス感染症3(OP-0110~0114)

宮井信行(和歌山県立医科大学)

[OP-0112] コロナ休校期間中の中高生の不安感に影響する生活要因の検討

プレナリーセッション2

小川佐代子1, 西田明日香1, 對比地覚2, 米原裕美2, 東郷史治1, 佐々木司1 (1.東京大学大学院 教育学研究科 身体教育学コース, 2.東京大学教育学部附属中等教育学校)

COVID-19の脅威は子供達の生活環境をも大きく変えた.休校を余儀なくされた中高生は当初突然の休暇に喜びを覚えたかもしれないが,長引く先の見えない状況に,不安感を募らせた生徒も多かったのではないだろうか.本研究のねらいは,COVID-19による休校期間中,変化したであろう睡眠や運動習慣などの基本的な生活習慣の中で,生徒の不安感に大きく影響を与えた要因はどのようなものなのかを明らかにすることである.
対象は都内在中の中高一貫校に通う中学1年生から高校3年生までの702名である.2020年に行われた心と体の健康調査に基づき,コロナ期間中における平常時以上に感じた不安を目的変数とした.説明変数にはコロナ期間中の睡眠時間と質 ,座位時間,スクリーンタイム,運動(時間)とし,学年,性別,平常時の不安感・睡眠の時間と質・座位時間・スクリーンタイム・運動(時間)を調整変数とした.結果としてコロナ期間中は平常時に比べ,運動(時間)が減り,スクリーンタイムに代表される座位時間が増加していた.睡眠時間は平常時に比べ,平均で約1時間半増加していた.睡眠の質も改善していた.二項ロジスティック回帰分析にて解析した結果,コロナ期間中の不安感には睡眠時間よりも主観的な睡眠の質の方が影響が強いという結果が示された.睡眠の質が悪いと感じると不安感が強まる可能性が示唆された.また運動状況は単独では不安感への影響はないが,主観的な睡眠の状況と重ねた時には,不安感への影響度が変化することが示唆された.